いざ、海生物が潜む大海原へ!

戦艦乗りの美少女姉妹と言えばものすごく聞こえがいいのですが、実際に登場するのはなんと漁船。
では、タイトル詐欺か? いいえ、とんでもない。バトルシップの名を冠するに相応しいれっきとした戦艦の物語です。

海原に潜む人知を超越した『海生物』によって両親を殺された姉妹が、仇を討つために魔改蔵戦闘漁船――もとい戦艦『わだつみ』に駆り、大海原を駆けるという王道のストーリー。

彼岸花様のお家芸、「もし環境がこう変化したら」という精緻な未来生態系シミュレーション。
それに伴って発展、あるいは衰退した架空の人類文明の綿密な構想。
そして、そんな先行きの暗い世界だからこそ引き立つ、アカネとアオイ、それを取り巻く人々の賑やかなやり取りや力強さの描写の冴え。

一番の見どころは、なんといっても人知の結晶たる戦艦と海生物との白熱の海上戦。
あまりの熱量に、私もこんな戦闘シーンを書けたらなと思わず唸ってしまいます。

すべてが絶妙のバランスで構成された傑作です!
是非、ご一読を!

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