第四話 妹は反抗期が一番えr…可愛い
「ただいまー」
扉を開けて私の目に飛び込んできたのは水々しい獲れ頃の大きな果実。もとい、私の愛する妹、
「なんだよーいるなら『お姉ちゃんおかえりっ♡』くらい言ってくれよー」
「げ、姉貴。もう帰ってきたの」
蜜葉は私と目が合うやいなや心底嫌そうな顔をして持っていたゲーム機に視線を落とす。
「ちょっと蜜葉、何回言えばわかるの! 姉貴じゃなくてお姉ちゃんでしょ!」
「うっさいなぁ……どっちでもいいでしょ」
寝転び手を忙しそうに動かしながら悪態をつく蜜葉。私はカバンを適当に放り投げ、冷蔵庫にあった麦茶のポットを取り出してコップに注いだ。
「お父さんは?」
「今日は仕事忙しいから帰ってこないって。飯代はテーブルの上」
「ふーん」
お父さんが家に帰ってこないのは特段珍しいことではないので適当に相槌を打って麦茶を飲む。むむ、美味い。茶葉が良いのか、その辺のことはよくわからないけど自然の恵みに感謝しつつ私は麦茶を一気飲みしてポットを冷蔵庫にしまった。
「よっこいしょっと」
「ちょっ、なんで私の前に座るのよ」
寝そべっている蜜葉の顔を眼前に捉える。
じーっと見つめると、蜜葉は顔を赤らめたあと目線を再びゲームに落とす。うん、自分の妹ながら可愛い。中学三年生の蜜葉は私とは比べ程にならないほど体が発達しており……まぁぶっちゃけると胸と尻がデカイ。エロい。
「ねえ、おっぱいは?」
「は?」
「おっぱい揉ませて?」
「キモい死ね」
私のお願いに血も涙もない暴言が突き刺さる。でもお姉ちゃん知ってるよ、それが私に対する愛情の裏返しなんだってね!
「じゃあおっぱい見せて?」
「見せないけど、てかさっきと変わんないから」
「えー! さっきよりツーランクほどダウンしてるよ!」
「揉むのワンランク下は一体なんなの……」
「んー? 摘む?」
「帰れ」
帰れと言われても、ここ私の家なんだけど。そんないつものやりとりをしていると、ちゃちな電子音が曲名不詳のメロディを奏でた。
「あれ? もうお風呂入るの?」
今のはお風呂が沸いたことを知らせる音だ。
「夕食前にお風呂に入ると脂肪が燃焼されるんだって。あと胃腸の働きも鈍って食欲も減るらしい」
「ああ、そっか蜜葉ダイエットしてるんだっけ。別に今のままでも十分スタイルいいと思うけどなあ」
主に胸と尻が。というのは心の中だけに留めておこう、私偉い。
蜜葉はタオルを用意して脱衣所に向かう。
「ここで着替えないの?」
「さもいつもはここで着替えてるみたいな言い方やめて」
ガラリと扉の閉まる音。布の擦れる音は……残念ここまでは聞こえない。
取り残された私は特にやることがあるわけでもなく、近くにあったリモコンをぺこぺこいじる。平日の昼間にやっているような地方のニュースが映し出されて、チャンネルを変えてもよくわからないアニメの再放送や飯テログルメ番組ばかりだった。
どこの局もあまり面白いものはやっていない。
家へ帰ってもこうして毎日のようにテレビをぼ〜っと見ている私。今日は一応あの子に会いに行くというイベントがあるからそれまでに時間を潰せばいいだけなんだけど。
「まだ六時……うーん」
昨日あの子に出会ったのは確か夜の十一時頃。その時間にあの子のバイトが終わるのだろう。
「今から駅に行くにしても早すぎるよね」
私はソファに寝転びながらリモコンを空中に投げたりしつつ考えに耽る。
「よし、覗くか」
やることもないので私はすくっと立ち上がると蜜葉が入っているであろうお風呂場に足を向けた。
音を立てないようにお風呂の扉を開けると曇りガラスの向こうにボンキュッボンな悩殺シルエットが映る。気持ちよさそうな鼻歌も相まって洋画のワンシーンのようだった。
「むむっ?」
足元に落ちていた衣類に目を向ける。そこには黒を基調とした大人っぽい下着。赤の装飾が施されていて色気を醸し出している。
「蜜葉、こんなどスケベなブラジャーつけてたの……!?」
脳内にフラッシュバックする服の上からでもわかる蜜葉の胸。
そして私は一つの結論へと辿り着いた。
「もしかして私、誘われてた?」
今考えればおかしいのだ。年頃の、しかもあんな凶悪な体つきをした妹はあまりにも無防備すぎた。それに私を邪険に扱うような態度をしておきながらいつも私のそばにいてくれて……ああ、お姉ちゃん、気付けなかった。ごめんね蜜葉……!
私は意を決して浴室の扉に手をかける。そして勢いよく扉を開けて——!
「ごめん蜜葉ああああああ! !! 私やっと気づいたよ今すぐ近親相姦しよおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
ゴンッ!!
目の前に広がる満点の肌色。
そして真っ赤に頰を染めた蜜葉の顔と洗面器を持ち振り上げた腕。
その根元に見える綺麗な脇と、ぷるんと揺れるたわわな果実。
そんな天国のような光景と共に、私の意識はお星様となって弾けて消えた。
悔いはない。
「ぎゃー! 気絶しながら笑ってる!」
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