第10話 何時から

素の詩 Something dropped 作者 小鷹 りく

    第36話 漂流


 下記詩を受けて作った詩になています。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921997703/episodes/1177354055425402406




何時いつからかな、ただただ楽しいから笑う、それが出来ない。

悲しい事、苦しい事、傷付けてしまった事、辛い事、悔しい事、思い出せって。


何時いつからだろう、気付いたら、出来なくなっていた。

楽しい時、うれしい時、幸せな時、つぶやくんだ、お前笑えるのかって。


何時いつからかな、笑うとかたわらにいてわらうんだ。

雨が降って、喧騒けんそうが吸い込まれると、やって来る。


何時いつからだろう、付きまとってささやくんだ、思い出せって。

雪が降って、音が無くなると、悲愴ひそうを着こんでやって来る。


きりで先の見えない、後悔こうかい波間なみまに連れて行かれる。

何時いつの間にかかたわらにいて、同じ道筋を辿たどらぬ様にいましめて、ちがう方角をしめす。


悲しみを知る、苦しみを知る、傷付ける事を知る、傷付く事も知る、辛い事や悔しさも知る、貴重きちょうな経験。


知っているからかる。

知らなかったら、経験しなかったら、欺瞞ぎまんに満ちた、傲慢ごうまん恥知はじしらずにちがいない。


もし、経験をしないと、理解できないのだとしたら。

人は、人々は、存在する限り、あらそい、うばい、殺し合うのではないか。


私は、私達は、こうもおろかしい生き物なのか。

だからいまだにめられないのだろうか。

経験しないと、他の人の痛みを思いやる事が出来ないのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る