十八. 氷見沢未知子
わたくしがその計画を実行すると決めたのは、思いつきのようなものでした。
例のお手紙を発見した日の、次の土曜日。
九時ごろに目を覚まして、母屋に行ったのですが、食堂にも厨房にも居間にも、だれひとりとしていません。ここのところずっと、お父さまは土日もなくお仕事をなさっていたように思います。今日もそうなのでしょう。
女中室に行ってみても、山岡はいませんでした。ばあやは自室でごろごろしているのでしょう。
今しかない。
そうと決めると、わたくしの足は、すぐにお父さまの書斎へと向かっていました。
一応、ひとの気配がないことを確認して、引き戸を開けると、不意に懐かしい匂いがしました。
太陽に当たって、ふかふかになったお布団の匂い。
お母さまが使っていた、足踏み式ミシンのモーターの焼ける匂い。
ばあやが内緒でくれた、不思議な味のする外国のお菓子の匂い……。
急に、自分が六歳くらいに戻ったような心地になり、そこには当時のお父さまとお母さまが立っているような気がいたします。
わたくしは、はっと驚いて、目を見張りますが、もちろんそれは幻。
雑然とした室内でしたが、それはすぐに見つかりました。見つけてくれ、とでもいうように、文机の上の書類の端っこに顔を出しています。
確かにあのとき見た茶封筒。ご丁寧にも、中身はきちんと入っています。中身は「ラブレター」。先日、これを見つけたときには、中身まで見ることはできませんでしたが、封筒の中には、さらに小さな白い封筒が入っていて、そこにも月崎家の住所と『月崎信子様』という文字が書かれています。裏返すと、『氷見沢未知子』とありました。封が切られていますが、切ったのは山岡でしょう。未知子さまの死を知らせる便箋も一枚、きちんと入っていました。
それを抱えて、部屋を出ようとした、そのとき。
人影に気づきました。立っていたのは、睨み付けるような目をした山岡でした。
「お嬢さま」
わたくしは固まってしまいます。
「大丈夫です」
山岡は表情を変えずに続けます。なにが大丈夫?
「大丈夫です。だれにも言いません。そして、それを読むかどうかは、お嬢さまの勝手です。ただ」
「ただ……?」
「山岡も一緒に行かせてください」
その表情には、覚悟を決めるようなものがあり、わたくしがどれだけ反対しようが、いくらでも食い下がってくるような気がするほどでした。
「でも……お父さまに知れたら、山岡はどうなるの?」
「わかりません。お暇を出されるか、そうでなくとも、こっぴどく叱られるでしょうね。少なくとも、信用は失うでしょう」
「それはいけないわ。わたくしは、この行動でお父さまに叱られても構わない。関係に亀裂が入っても、勘当されるなんてことはないでしょう。むしろ、いずれ知られることだと、諦められるのだと思うわ。でも山岡を失うわけにはいかないもの」
「大丈夫です」
「だからなにが大丈夫なの?」
「山岡にも、行く義務がございます」
変わらぬ表情で言いました。
「どうしてそうなるのか、よくわからないけど、そこをどいてちょうだい」
わたくしは、山岡をどけて階段を下りました。
下りたところで、すぐに山岡に追いつかれました。
「山岡も参ります」
今度は優しい表情で言いました。こういうとき、有利なのは追うほうでしょう。押し問答をしてもきりがないので、わたくしは溜め息を一つ。
「わかったわ」
「はい。感謝いたします。それから、今夜の、志良山さまとの会食は忘れておられませんよね? それまでに、必ず戻るのですよ」
そういえば、そうでした。志良山さんを交えての食事会が、お屋敷で開かれるのでした。急に暗澹とした気持ちになります。
「なるほど。それで、わたくしに付いてくるというわけね」
「それもありますが……」
「なあに?」
「義務だと心得ておりますので」
「そう。なんだか、わからないけど……いいわ。行きましょう」
わたくしが言うと、山岡は慇懃な笑みを浮かべました。
手紙の差出人の住所は、市の外れにある、自然の豊かな地区でした。お屋敷の最寄り駅から、下り方向に七駅行った先にあるようです。
「お嬢さま、山岡が知っていることは、ほとんど全て話しました」
土曜日のお昼前だというのに、車内の人はまばらで、意図して低い声で話さなければ聞かれてしまいそうです。
「わかったわ。わたくしはあのあと、しばらく考えたけど、やっぱり行かないことには始まらないと思ったの」
「承知致しております。しかし……」
山岡は妙に勿体ぶります。
「なによ」
「しかし、重大なことを一つ申しておりません」
「なあに、それは?」
「おそらく、このあと明らかになるかと」
「なにを勿体ぶってるのよ。気になるじゃない」
わたくしは苛立ちましたが、山岡はずっと黙っていました。
そのお宅は、駅から十分ほど歩いた所の住宅街にある、ごくふつうの一戸建てでした。築数十年と見える、よくある建売住宅です。千草やあかりのご家族が出てきても、なんの違和感もない風情をしています。
そこには確かに〈氷見沢〉という、御影石の表札が掛かっています。
「入るわよ」
山岡は「はい」と強く頷きました。
インターホンのボタンを押すと、女性の声で、
『はい』
という、澄んだ声が返ってきました。
『こちら、月崎と申す者です。未知子さんのお弔いを申し上げに参りました』
『ああ……』その声は、なにかを躊躇うようでしたが『お上がりください』と続けました。
すぐに七十代くらいの、すらっと背筋の通った女性がドアを開けて、姿を見せました。未知子さまのお母さまでしょう。
「こんにちは。はじめまして。この度は、まことにご愁傷さまでした。ご挨拶が遅れてしまい、申しわけありません」
「はい、どうも。どうぞ。狭い家ですが……」
微笑んでいますが、どこか複雑な表情です。
案内されたのは、玄関脇の六畳の和室で、ダイニングキッチンと敷居一つだけで隔てられています。片隅に、未知子さまの遺影が掲げられた、小さな祭壇が設けられていました。気持ちばかりの仏花とお酒が供えられています。
この方が未知子さま。
仏前に腰を下ろして、手を合わせます。
わたくしは、生き別れた家族でも見るように見つめてしまいました。
山岡は、今にも泣きそうな顔をして、黙って目を閉じています。
そこに、未知子さまのお母さまが、お茶を二杯持って入ってこられました。
「この度は、ご足労いただき、申しわけありません。未知子の弔いなど、だれひとりとしていらしたことがありませんでしたので、どうしていいやら……」
「いえ、とんでもございません。お母さまも、わたくしたちが何者かも、全くおわかりにならないでしょうし、まず自己紹介をさせてください」
そう言うと、お母さまは「今、主人を呼んで参りますから」とことわって、部屋を出てゆかれ、すぐに戻ってこられました。
「われわれは、老夫婦二人暮らしなんです。子供は娘一人だけでして。これで家が絶えてもいいんですが、なんだか悲しいものです」
階段を駆け下りる音が聞こえて、お父さまがいらっしゃいました。同じく七十代くらいの、小柄ながらも、がっちりとした体躯の方でした。
お二人は、
「こちらのお二方、月崎さんと仰って、ほら、未知子が書いていた手紙を送った」
「そうか」
という簡単な会話を、小さな声で交わしてから、入ってこられました。
「ようこそいらっしゃいました。遠い所をありがとうございます。未知子も喜んでいるでしょう。わたし、未知子の父の敬之といいます」
続けて、お母さまが、「母の茂美です」と言いました。
「月崎と申します。こちらが、我が家のお手伝いの山岡です」
山岡は、「はじめまして」と正座して、頭を下げました。
「しかし、あなたたちが何者かも知らずに、勝手に手紙なんかを送ってしまい、ご迷惑ではなかったでしょうか」
「とんでもありません。わたくしたちも、こうしてお会いすることができてよかったのです。それで、申しておきたいのは……」
「はい」
「わたくし、先ほども申しましたように、月崎笙子と申します。ご両親がお手紙をお送りになった信子というのは……わたくしの母です」
わたくしは、手に持っていた例の手紙に目を遣りました。
「そうでした。わたしが出したのは、月崎信子さん。まあ、未知子が書いてあった手紙の宛名をそのまま書いただけですがね。なるほど、娘さんですか」お父さまは神妙な顔をしていました。「では、そのお母さまは?」
「母は十年前に亡くなっております」
わたくしは、迷うことなく言いました。
ご両親は顔を見合わせています。
「それはそれは……大変な失礼を。変に困らせたでしょう。すみません」
「いえ、そんなことはありませんわ」
「いえいえ。亡くなっているとも知らずに、勝手なことを」
「よろしいのです。それより、わたくしたちは娘さんのことをあまりよく知りません。簡単にでよろしいので、教えていただけませんか?」
わたくしが聞くと、お父さまは「ええ……」と言ってから、語り始めました。
「未知子が死んだのは四月一日……五十四歳でした。結婚願望とやらも特になさそうで、生涯独身でした。われわれも、特別強く言わなかったからか、そのままずるずると。かといって、仕事一筋というわけでもないようでした。
就職して、しばらくしたら、住居は別にしていたんです。場所は近いといえば近いんだけど、ほとんど顔を出さなくてね。もともと口数は少ないほうでしたが、特別仲が悪かったというわけでもないんだよ。単に一人で自立して暮らしたいって言って、出ていった。
しかし、ある時期を境に、完全に心を閉ざしたようになってしまってね。輪をかけて、自分のことを話さなくなったんです。
だからお恥ずかしいことに、実は、娘については、なにもよくわかっていなんだ」
そう言って、窓の外を眺めました。
わたくしたちは、話の続きを待っています。
「それでも、盆や正月には帰ってきていました。それで……今年の正月に、娘は言ったんです。
『あたし、癌なの』
って。実にあっけらかんとした顔で。そのあとは、ひと騒動ありました。詳しく語るわけにはいきませんがね。膵癌。あれって進行が速いんですね。あっという間でしたよ」
わたくしと山岡は、無言で顔を見合わせました。
「すみませんね。しんみりした話で。だから、娘にについてお話ししようと思っても、お恥ずかしいことに、これくらいしか話せないんです」
「では、このお手紙を出したのは……」
「そうです。死んでしまったけれど、今更ながら、娘のことを知りたくて、大事そうに取ってあった手紙を送ったんです。なんらかのリアクションを期待して。誠に勝手ながら」
「いえ、ですから、勝手なことだとは思いませんわ」
「はい。でも、そのひとは、もういないんですね……」
お父さまは、肩を落とされました。
「ええ。ですから、わたくしたちが、そのご期待に沿うことは……難しいです。申しわけありません」
「謝らなくともいいのですよ。来てくださっただけで、感謝していますので」
「しかし、申しておきたいことがあります。というのは、このお手紙」
わたくしは、また手許のお手紙に目を遣って言いました。
「それがなにか?」
「このお手紙なのですが、書かれたのが去年の年末なんです。末尾に日付がありましたから」
ご両親は、怪訝な顔をして、顔を見合わせました。お母さまは十年前に亡くなっていたと知って、お手紙は、そのころ、お母さまが生きていたころに宛てられて書かれたと思っていたのでしょう。
「ということは、未知子は、既に死んだひとに宛てて、その手紙を書いていたのか……」
「妙な話ですが」
わたくしは、そう返すことしかできませんでした。
「ほんとうですね。でも、なんでそんなことを……。まあ、今となっては、だれもわからないのでしょうが」
お父さまは、くすっと笑っています。
「はい。わたくしたちも、よくわかりませんの。勝手にお邪魔しておいてなんですが、ご期待に沿えられず、すみません」
「ですから、いいのですよ。少しはすっきりしましたから」
そこで、ずっと黙っていた山岡が、口を開きました。
「先ほど、娘さんは、ある時期を境に心を閉ざされた、と言われましたよね? 差し支えなければ、詳しく聞かせていただけませんか?」
山岡? そんな込み入ったことを聞くの? こちらがどきっとしてしまいますわ。
お父さまは、しばし沈黙してから、言いにくそうに口を開きました。
「まあ……簡単に言ってしまえば、車の事故です。娘が運転していた車が谷に落ちた。で、一緒に乗っていたひとが一人いて、そのひとだけが亡くなり、娘はなんとか生き残ったんです。娘が心を閉ざしたのは、そのことが関係していると思ってるんです」
「それは、十年前のことではありませんか?」
山岡は、きっと睨むように聞きました。
「ええ、確かそうです……でも、どうして……もしかして?」
「はい。その亡くなった同乗者というのが、奥さま、信子さまなのです」
「山岡!?」
わたくしの目に、山岡は、こくりと頷きました。
ご両親も、驚きの表情を見せて固まってしまいました。
「では……娘は、自分の運転で死なせてしまったひとに宛てて、その手紙を書いていたのか。そして、それはあなたのお母さん」
お父さまは、わたくしの顔を見て言いました。
わたくしは、ごくりと唾を一つ飲み込みました。
お母さまが亡くなった事故のとき、運転していたのは未知子さまだった?
「山岡? どういうこと?」
「はい。このことにつきましては、いつかお嬢さまにもお伝えしようと思っていました。電車の中で、重大なことを一つ申していない、と言ったのはこのことです」
「どうしてそんな勿体ぶったことを……」
「それは申しわけございません。しかし、これから会いに行くのは、奥さまが亡くなったときにその車を運転していた方だ、とお伝えするのは、あまりにショッキングかと思いまして」
「確かに、そうだけど……」
「ですから、未知子さまのお顔も、奥さまが運ばれた病院で、一度お見かけしております」
「お顔を? 確か、お顔は一度しか見たことがないと言っていたわよね? お屋敷を訪ねたとき、一度っきりだと。あれはうそ?」
「ええ。でもそれは、事故のことを打ち明けるときに、お話ししようかと思っていただけです」
「そう。まあ、いいわ。続けて」
「はい。そのときには、既に奥さまは亡くなっていたので、わたくしたち月崎家は、ご遺体を引き取り、それっきりその病院を離れました。ごたごたしているうちに、未知子さまとも別れ別れになってしまったのです」
「なんと……」
お父さまは絶句しています。
「奥さまから聞いて、その日お会いするのは未知子さまだということは存じておりました。ですから、病院でお見かけしたのが、未知子さまだとわかったのです」
「なるほど。あのとき、未知子とはほとんど連絡がなかったから、われわれが病院に着いたのは二日後だった。そのときには、既に同乗者だというひとは亡くなっていて、ご遺体はご遺族が引き取っていったとだけ知らされました。そうか。わたしたちと月崎さんたちはすれ違っていたんだ」
お父さまは自分を納得させようとしていました。
でも、山岡? どうしてそれっきり、未知子さまとは連絡をとらなかったの? 病院に問いあわれば、連絡はついたはずよ?
そう言おうと思いましたが、お二人の関係を考えると、山岡もお父さまもそれはよして、半ばなかったことにしようとしたのだろうと考えついて、口を噤みました。
つまり月崎家は、その事故で精算するようにして、お母さまと未知子さまとの関係に蹴りをつけたのでしょう。それっきり、月崎家は外面上、ただ母親を失ったというだけの家になった。
しかし……
ご両親は、お母さまと未知子さまが恋人関係であったことは、おそらくご存知ない。そういう発想には、ふつうはならない。
これは申し上げたほうがよろしいのでしょうか。
ご両親は、我が子のことをとにかく知りたくて、月崎家に手紙を出したとのことですが、このことは、申したほうがよろしいのでしょうか?
秘密にするのはアンフェアな気もいたしますが、ご両親に要らぬ混乱をさせるよりは、そのままにしたほうがいいようにも思えます。
思案していると、お父さまが口を開きました。
「わかりました。ひとつ大きな謎が解けました。未知子はずっと、自分を責めていたのでしょうね。おそらく、未知子にとって、月崎さんは大切なおひとだったのでしょう。そのような方を自分の不注意で亡くしたのだから、気持ちを拗らせて、気鬱になるのも頷けます。ただ、十年というのはあまりにも大袈裟な気もしますがね。
おそらく、去年の暮れに書いていたという、その手紙は、あるいは、懺悔、罪滅ぼしのような、自分を慰めるための物だったのかもしれません。ばかなことをする娘です。
これですっきりしましたよ。ありがとう。娘の大切なひとが月崎さんだと知れただけでもよかったです。その娘さんが、こうして会いにきてくれた。これはほんとうに喜ばしいことだ」
そうは言うものの、表情は晴れやかではありませんでした。
そして、「そうそう。まだ渡したいものがあるんだ」と言って、二階に上がってゆかれました。
わたくしたちは、沈黙して帰りを待っていましたが、お父さまはすぐに戻ってこられました。手には、クッキーの詰め合わせでも入っていたような、三〇センチ四方くらいの平べったい缶を持っています。
「手紙はまだあるんだ。あとから発見したんだけど、娘が出そうとしていたもの、それから月崎さんから届いたもの。みんな大事そうに、ここに仕舞ってありましたよ。よかったら持っていってください。ご迷惑でなければ」
それを聞いたわたくしは、すぐに立ち上がって、それをさっと奪うように手に取り、両手で抱えました。
山岡がすぐに立って、「お嬢さま!」と諌めましたが、わたくしがきっと睨むと、悟ったように無表情になり、上げた腰を下ろしました。
「お聞きしたいのですが」
わたくしは聞きました。
「はい、なんでも」
「このお手紙、お父さまが送っていただいたこのお手紙も、この缶に入っているお手紙の数々も、既にお読みになりましたのでしょうか?」
お父さまは、
「いいえ」
とだけ、表情を変えずに言いました。
結局、わたくしたちは、お母さまと未知子さまの関係を喋らないまま、お宅をあとにしました。
「これでよかったのよね、山岡?」
山岡は、わたくしの言葉が聞こえなかったのか、聞こえないふりをしているのか、ただ俯いて歩いているだけです。
わたくしたちは、昼下がりの自然豊かな住宅街を、それぞれに考えごとをしながら、とぼとぼと歩いていました。
帰りの電車の中でも、それは変わりません。
自身の運転する車の事故で、愛するひとを亡くした未知子さまの悲しみと自責の念はいかばかりかだったでしょう。
二人はその日、どのような一日を過ごす予定だったのでしょう。
お母さまは、どのようなお気持ちで、外出するときにうそをついたのでしょう。
なぜ、山岡にはほんとうのことを言ったのでしょう。
病室で目が覚めたとき、愛するひとは既に失われていたと知ったときの、未知子さまのお気持ちは。
十年後、自らの命も尽きようとしているとわかったときのお気持ちは。
そして、どのようなお気持ちで、この手紙を書いたのでしょう。
電車は、お屋敷の最寄り駅に着きました。
「お嬢さま、降りますよ。早くしないと、今夜の会食の準備に間に合いません」
山岡の声に気づき、わたくしは一緒にホームに降りました。
そのまま改札に向かおうと思いましたが、
〈ドア 閉まります——〉
そのタイミングで、乗っていた車両に飛び戻りました。
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