特別編 Ⅱ

データ集 Ⅱ

※1部のネタバレを含みます


◆人物


(メイン登場人物)


【セリアルカ・リーネ】

本作の主人公。騎士になることを志して王立学院に通う狼の獣人。満月の夜になると銀色の狼に変身する。銀月と狩猟の女神ルーネ(月女神)の末裔。現在17歳。

幼少期の事件により狼男に対して強い憎しみと嫌悪感を持っているため、将来を共にする番を選べずに悩んでいる。恋人のアルファルドの異変に気付き、原因究明のためオクシタニア行きを決意した。

使い魔⇒魔狼ハティ

御印⇒無し

メイン属性⇒月

サブ属性⇒風


【アルファルド・ルシオン・セシル】

本作のヒーロー。セリアルカの恋人。シュセイル王国東端のオクシタニアの領主セシル伯爵の四男。金月と森の神セシェル(月神)の末裔で、月光花の御印の保持者。金色の狼に変身する狼男。

幼い頃にセリアルカに一目(鼻?)惚れ以降、激しく執着して溺愛する。セリアルカに近付く雄は仔犬でも許容しない強火のヤンデレ。ある理由から、ヒースに対する当たりが特に強い。セリアルカがオクシタニアに行くと決めた日から、様子がおかしい。

使い魔⇒魔狼オリオン、他四匹

御印⇒月光花

メイン属性⇒樹

サブ属性⇒風


【クリスティアル・ヒース・クレンネル】

アルファルドの従兄弟。ローズデイル大公国出身。現大公の弟。金髪青眼の絶世の美男子だが、とてもチャラい残念なイケメン(を装っている)。太陽と光の神クリアネル(太陽神・光神)の末裔で、白薔薇の御印の保持者。

生まれつき魔法が使えないことにコンプレックスを抱いている。他人の心の痛みに敏感な優しい性格。アルファルドのことで悩むセリアルカの強い味方だが、アルファルドには何故か恨まれている。

使用武器⇒双剣(長・短)

御印⇒白薔薇

メイン属性⇒(光・火)

サブ属性⇒(光)


【エリオット・リーネ】

セリアルカの父親。イオス島の大学で古典文学を教えている教授。47歳。銀色の狼男。銀月と狩猟の女神ルーネの末裔で、三日月の御印の保持者。

アルディール戦役に従軍した元騎士。終戦後、辺境の港街で教師をしていた頃に妻のアイシャに出会う。レグルス、サフィルスとは同級生。

11年前のある事件で左足を負傷し、後遺症が残ったため杖をついている。御印の影響で三十代にしか見えない。娘を溺愛しているが、娘には塩対応されている。パパは寂しい。


【ハティ】

セリアルカの使い魔。生後半年から一歳ぐらいの真っ白な魔狼。やんちゃな食いしん坊。研究材料にされて人間不信だったが、セリアルカと過ごすうちに心を開いた。セリアルカが好き。おやつをくれたり遊んでくれる人は好き。医者(白衣を着た人間)とアルファルドは天敵。ヒースのことは舎弟だと思っている。



(学院編)


[ラヴィア・ラッセル]

第1部の事件に巻き込まれた生徒。最近訳あり女子会に加入した。


[エレオノーラ・サヴィナ]

実践魔法の教師。年齢不詳の美魔女。竜か魔族の血を引いているという噂。魔法が使えないヒースに頭を悩ませている。


[スタニスラフ・マレク ]

魔法理論の教師。ちょっとくたびれた様子だが、美声で女子生徒たちに人気。毎回爆睡するヒースに頭を悩ませている。


[マヤ・エルハノヴァ]

最近セリアルカと仲良くなった騎士科の生徒。ユキヒョウの獣人。


[ユーリ・リヴォフ ]

第五騎士団団長。通称“蒼獅子”。獅子の獣人。アルファルドに特別目をかけているが、精神の危うさに危機感を抱いている。



(オクシタニア編)


[アイシャ・リーネ]

セリアルカの母親。エリオットの妻。セリアルカが5歳の頃、狼男に殺害される。


[レグルス・セシル]

オクシタニアの領主。現セシル伯爵。エリオットの旧友。四兄弟の父親。社交会に滅多に姿を見せない人間嫌いで有名。愛妻家。


[ミラ・セシル]

レグルスの妻。セシル伯爵夫人。四兄弟の母親。ヒースの母方の叔母。結婚前はエア島で貴族の子女の家庭教師をしていた。狼男に二度噛まれた経験があり、首に傷痕が残っているため、襟の高いドレスを着て首を隠している。


[アーサー・ロイド・セシル]

セシル四兄弟の長男。弁護士。次期伯爵。レグルスの名代として主に浮島の社交界で暗躍。王の隠密の時の名はアルタイル。華やかな色気の美青年だが、四兄弟一の性悪の噂。アンジェリカの姉と一時期交際していた。


[デニス・セシル]

次男。イオス島の大学病院とガレア島の騎士団本部を行き来する軍医。家業の時はデネヴと呼ばれる。領地に帰省の際は、領民の往診に出かける。怖いお医者様。


[ヴェイグ・セシル]

三男。ガレア島騎士団本部の第五騎士団所属のエリート騎士。アルファルドの天敵。仕事の時の名はヴェガ。アルファルド曰く、狼じゃなくてゴリラの獣人。



(sideディーン:首都編)


【ディーン・エリア・アスタール=シュセイア】

ヒースの幼馴染で親友。シュセイル国王アレクシウスと竜騎士ベアトリクス卿の子。王太子レースの有力候補。異母兄フィリアスと騎士団勢力が王太子の座に担ぎ上げようとしているのを察知して、巧みに逃げ回っているが……。

正義感が強く、曲がったことが嫌い。母を蔑ろにした(とディーンは思っている)父アレクシウスに対して複雑な思いがあり、父に愛されていることに気付けないでいる。

今回一番の苦労人かもしれない。


[ベアトリクス・アスタール]

ディーンの母親。アスタール侯爵にしてアレクシウス王の側妃。元近衛騎士団所属の竜騎士。パートナーは青竜アズラエル。ディーンが十五歳の時に、王妃イヴリーン派に謀殺された。ヒースの双剣術の師匠だった。


[ザファ・レヴォー]

アスタール侯爵家家令。ベアトリクスの代から仕え、長年アスタール侯爵家私設騎士団の団長を務めた。現在はディーンの補佐のために騎士は引退している。ディーンが帰ってきた際は剣の稽古に付き合うなど、一時は父親代わりだった。


[アレクシウス]

第二十三代シュセイル王国国王。戦神の翼の御印の継承者。ディーンとフィリアスとイサークの父親。ガサツで豪快な性格だが、一度剣を握れば今代の戦神が降臨する。


[イサーク・レーニエ=シュセイア]

王妃イヴリーンの子。シュセイル王国第三王子。王妃派に担ぎ上げられ王太子の座を狙ってディーンと争う。十歳。


[サフィルス・イーディア・クレンネル]

ヒースの父親。前大公。エリオット、レグルスと同級生だった。予言者の眼という魔眼の持ち主で、アレクシウス王の相談役としてシュセイル王国に多くの勝利を齎し、王に次ぐ絶大な権力を振るった。ヒースが十三歳の時に病死した。


[ジェイド・サーシス・クレンネル]

ヒースの兄。現大公。病弱な父に代わり十代の頃からローズデイルの領主として家業の実権を握る。金融業で成功して、今では世界一裕福な国となった。その手腕から金の亡者と揶揄されている。

十歳離れた弟のヒースを心配して、なんだかんだと小言を言いつつも、弟には甘い。



(クレアノール編)


【アスタヘル・リーネ】

セリアルカの夢の中に登場する、月女神の三日月の御印の保持者。銀色の狼の獣人。セリアルカによく似ている。クレアノール王セイリーズに仕える騎士。

御印⇒三日月


【ルシオン・セシル】

アスタヘルと共に登場する暗殺者。月神の月光花の御印の保持者。金色の狼の獣人。アルファルドによく似ている。アスタヘルに番になれと付き纏う。

御印⇒月光花

使い魔⇒魔狼シリウス二世


【エリオス・シュセイア】

シュセイル出身の騎士。後のシュセイル王国初代王。戦神の翼の御印の保持者。魔王の座に最も近い名無しの王子に対抗できる唯一の存在。心底人間に失望しているが、ある目的のためにセイリーズに従っている。


【セイリーズ・アルマ・ディアマンテ・クレアノール】

聖王と称えられるクレアノール王国国王。エリオスとアスタヘルの主人。予言者の眼の持ち主。太陽と光の神クリアネルの末裔で、白薔薇の御印の保持者。千年後のクレンネル家の先祖と云われている。

命を賭して魔王を倒し、魔界の扉の向こうに封印した大英雄のひとり。


[名無しの王子]

前魔王の七番目の子。母体に宿っている時から父王を凌ぐ魔力を持っていたため疎まれ、生まれてすぐに名を与えられないまま封印された。前魔王の死により封印が解けた後は、度々戦場に現れ負の感情を喰らう。何かを探しているようだが……。


[ナディル]

前魔王を殺した一番目の王子。十年前、クレアノールの王城に侵入し、当時の王を含むその日城に居た約三百人を虐殺した。名無しの王子と玉座を争っている。



◆用語


[御印(みしるし)]

1部のデータ集を参照。


[オクシタニア]

シュセイル東部に位置するセシル伯爵の領地。月神が住まう森。土地が持つ強い魔力により、昼夜を問わず上空に濃い魔力のオーロラが発生している。住人の99%は月神を信仰する獣人。招かれた者しか森に入ることは許されない。


[神話の森]

太陽と月の兄弟神が生まれ落ちた神話の舞台。太陽神が森を出た後は、月神の神域となった。


[銀の樹]

オクシタニアの森のいたるところに存在する祭壇。“月神の角”とも呼ばれる。現世と神域の境に在るため、樹に向かって祈れば神域で眠る月神に願いが届くと云われている。

普段は荊と柊のロープで封印されているが、降月祭の夜は一般の獣人も銀の樹に触れることが許される。銀の樹の枝に花のオーナメントを掛けて、次の降月祭までの向こう三年の加護と幸福を願うのが習わしとなっている。


[降月祭]

天から降りた月女神を迎えるお祭り。三年に一度オクシタニアの湖の畔で開催される。直近三年の間に番になった男女の中から選ばれた一組が、月神と月女神に扮して儀式を行う。


[クレアノール王国]

千年前に滅びた光の王国。白海の東に在ったと云われている。クレンネル大公家はクレアノール王国最後の王、セイリーズの直系の子孫を名乗っている。

首都はリュミエル。

◇ベルローザ……青の山脈の東にある都市。南北を大国に挟まれ、中間貿易で巨万の富を築いた。旧クレアノール王国領の西の果てで、現在はローズデイル大公国の首都。ヒースの出身地。クレアノール王国滅亡後は太陽神信仰の聖地として巡礼者が絶えない。白薔薇城と謳われる大公の居城が在る。


[大災厄]

千年前にクレアノール王国で起きたとされる事件。強大な相反する二つの魔力の衝突によって、クレアノールの大地は崩壊し、濃い瘴気に閉ざされた白海となった。天候が良い日にはベルローザから白海の東に僅かに残った塩の砂漠が見える。

千年の間に何度も調査隊が派遣されたが、上陸して正気を保ったまま帰還したものは無く、実際にクレアノールで何が起こったのかを知る術は無い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

月落ちる森Ⅱ 巡る星辰 小湊セツ @kominato-s

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ