第57話
玉砕覚悟の告白の返事はまさかの両思いという結果で緊張が緩んだのか私は無意識に涙を流していたみたいで、それを見たルッカ様が大慌てしている姿はなんだかとても可愛らしく見えてしまったのは内緒ね。
「ユーコ……」
色々と考えないといけない事は沢山あるけれども、今は両思いになれた事を噛みしめたいわ。
「ルッカ様、私ね浮気は嫌いです。」
「あぁ、元々居た世界での事も有るのだろうが私の妻はユーコだけだと誓おう。」
以前ここに来る経緯を話した時に浮気された上に路頭に迷ったと言うことは伝えであるのでその辺は理解して貰えるのは正直ほっとするわ。
「サンクート様がルッカ様のそばに居たいなら王妃になる覚悟を持つことって何があってもサンクート様が味方だから心配は要らないと仰られていたの。」
私の覚悟さえあるならどんな事からも護ると言っていただいた事は心強かったのよね。
「なるほど、サンクート様の後ろ盾が有るならば何の心配も無くユーコを妻に出来るが、唯一心配なのは王妃としての公務がユーコの負担にならないかどうかという事がある。」
「そうね、それは確かに不安は残るけれども私にしかなれない王妃を目指しても良いのかもと思っているの。」
そう、料理の事もそうだけれども馬車の事を含めそれなりに出来ることがあるって分かったのだもの。
「そうだな、ユーコらしい王妃は見てみたい。」
「ふふ、私にもどんな感じになるのかは分からないけれどもやれる事はやってみたいと思うの。その時は手伝ってくれるかしら?」
「もちろんだとも。」
その後しばらくユーコとルッカはイチャついてから名残惜しみつつルッカは1度城に戻り仕事をこなすのだが、早く帰ってユーコともっと居たいために今までの何倍もの速度で書類を捌くのだったりする。
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【サンクート視点】
「はぁ、なんとか無事に収まることろに収まったのは良かった。しかし、彼には資質があると思ったがこうなるとは思わなかったな。」
ユーコとルッカの様子をハラハラしながら伺っていたサンクートも2人が想い合うのを見て安心する。
「後はあのふたりがどうするか次第か、一応手助けはできるようにしておいたが……」
他にも何がコレという決定的な状況であと2人を護る事が出来ないかと頭を悩ませるサンクートだったりする。
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【咲百合視点】
「ママ大丈夫かなぁ……」
「ユーコさんならきっとおじ様と上手くいくと思うわ。」
「そうだね、僕にもおじ様はユーコさんにベタ惚れなのはわかったしね。」
咲百合は公爵家の子供たちと仲良くお茶をしつつそろそろ王都に着いただろう母親が上手くいったか心配するのだったが、両思いなのを気づいていないのは本人たちだけという事に少し不安を感じていたりした。
か、ちょうどその頃2人は不器用ながら両思いになっている時だったりするのだった。
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