第11話
校舎裏の庭の近くに赤坂がいた。
「追いかけてきてごめん。どうしても聞きたいことがあって。」
あの日から何かと俺のことを避けて行動しているような気がしたが今日それは確信に変わった。
明らかに赤坂は俺を避けている。
余計な事かもしれないけど、どうしても理由を聞きたい。
「ここ最近俺を避けているように感じるんだけど、気のせいだったりする?」
「それは・・・・。」
「何かして避けているのならちゃんと謝る。ごめんーー
「違うの!あなたに落ち度がある訳じゃないの!ただ、私は、私は・・・・。」
「あなたと一緒にいれないの。」
「・・・・どういう、
「あなたの家族の命を奪ったのは私の義父だから。」
言葉をどうにか紡ごうとしたが声にならなかった。自分の中のよく分からない、たくさんの感情が一気に押し寄せてきたからだ。
「うっ・・・・。」
気持ちが悪い。この感情は一体なんなんだ。どうにかなりそうなほど頭が割れそう、気持ちが悪い。身体が何かを拒否しているかのように、俺はその場から、いつのまにか逃げ出していた。
静かに泣いている、赤坂を置き去りにしたまま。
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「何で逃げちゃったんだろう・・・・。」
誰もいないリビングのソファの上でそう呟く。あの時の感情は、冷静になってみると怒りに近いようなものがあった。ただその怒りは赤坂に向けてではなくその義父に対してのものであったことはわかる。ただ俺の感情を知らかった赤坂には悪いことをしてしまった。
ただ、あの気まずい雰囲気の中でどう謝れば良いのだろうか。
「はぁ・・・・。」
ため息を吐いたら、余計に鬱な気持ちになった。
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「僕はちゃんと正直に話した方が、赤坂さんにも直接伝わると思うけどなあ。」
「やっぱりそうなのかな。でも酷いことをしてしまったから・・・・。」
真奈に相談に乗って欲しいと言ったらすぐにOKしてくれた。良い友を持てて本当に良かったと思う。
「聞いた限りだとその場から走って逃げちゃったんでしょう?」
「そうだけど・・・・。」
「僕からしたらそんなに酷いことじゃないと思うし、なおさら和樹の家族さんとの話でしょう?そうなってもおかしくないんじゃないかな?」
一応真奈には家族の死んだことについてはまだ話していない。話した後に気まずくなってしまうと嫌だからだ。赤坂の父親が家族に面倒を起こしたという話だけ伝えている。
「そっか・・・・。ありがとう。どう言えば良かったのか分からなかったからすごく助かる。」
「うん、大丈夫だよ。ただその・・・・。」
「・・・・?」
「いつでも僕のこと、頼っていいんだからね?」
やばい可愛すぎるぅぅゥ!!!!
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ヒロインの名前について
充希と瑞希の名前について、濁点が付いているか付いていないのかの違いでややこしい名前なのですが、考えの上でこのようになっています。面倒くさいと思いますが、いつかその話についても触れていくのでよろしくお願いします。
追記
充希は和樹のことを「春くん」と言っていますが和樹の昔の苗字は 春日井 でした。戸惑った方々、本当にすみませんでした。
俺が幸せになっても良いのだろうか? @kousei2005
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