第5話

ねぇ、なんで助けてくれなかったの?


「助けられなかったんだ。言い訳かもしれないけど」


ねぇ、どうしてあなただけ生きてるの?


「違う、生きてるのは偶然なだけなんだよ。本当は俺も死んでいたかーーーー


じゃあ


あなたも死ねば?


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


最悪の夢だ。シートが汗でびちゃびちゃだった。あまりにも汚いので取り外そうとしたが、


「アレ?体が動かない。というか頭割れそう・・・・。」


そういえば俺今風邪だったんだっけ。ご飯も食べたいがそれどころではない。だがまだ眠いので寝ようとしたが、ちょうどいきなりインターホンが鳴った。


「誰だよこんな時に。なんか頼んだっけ?」


イライラしながらドアを開けると驚きの光景が広がっていた。


「えっ、赤坂さんと・・・・委員長?」


何故か眼前に、あの赤坂と何故か学級委員長さんがいた。そしてこの状況にビックリしたのか、風邪のせいなのか、俺はぶっ倒れた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


いい匂いがする。なんだろう?でも美味しそうだ。目を開けると赤坂がキッチンで何か作っているのが見えた。委員長は帰ったらしい。


「何やってるの?」


「見ての通り、お粥を作ってるのだけれど。」


「えっ、でも周りが綺麗になってるんだけど

?」


「それも汚かったから掃除したわ。なんでこんなに汚いのかしら?おまけにゴミのほとんどがインスタント食品だったわ。」


「いや・・・・、それは事情があって」


「まあ、何でもいいけれど。もう作り終わるから帰るわね。」


「あ、ありがとう。普通に助かる。」


空いた間が気まずい。しばらくすると赤坂の方が口を開いた。


「そういえばさっき倒れたかのように寝てたけれど、大丈夫なの?」


「いや、急に眠気みたいなものが襲ってきてな・・・・。」


「そう、大丈夫ならいいのだけれど。そういえば、昨日借りた傘返すわね。」


「ああ別に捨ててもよかったのに。ありがとう。」


そういうと赤坂は嬉しそうに帰る準備をし始めた。


「別に大したことないわ。じゃあさようなら。」


「おう、気をつけて帰れよ。」


そうして赤坂は帰った。というか、


「家隣やん。」


思わず関西弁に。赤坂はさも当然のように


「アレ?教えていなかった?私、ここに住んでるの。これからご近所さんとしてもよろしく。」


マジかよ。衝撃でまたぶっ倒れそうになった。というか俺カッコよく傘貸したのに家近いじゃねえか。


恥ずかしすぎる。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る