第6話
次の日には風邪はすっかり治っていた。いまは絶賛学校行きたくない病にかかってしまっている。がしかし、俺には天使がいるから行かざるを得ない。仕方ない、真奈のために今日も行ってやろう。と、いつものように駅に向かう。電車を待っていると
「あら、風邪は治ったの?」
いきなり後ろから声が掛かってきたのでビックリした。
「うおっ・・・・。朝からありがとうございます(神に)。」
振り返ると赤坂がいた。思わずびっくりして神に感謝してたわ。
「なぜありがとうなのかわからないのだけれど。まだ風邪は治ってないのかしら?」
「い、いや、こっちの話だから気にしないでくれ。」
「そう・・・・。」
気まずい。やはり隠キャには女子(おまけに美少女)との会話はできないというのだろうか?
そうこうしているうちに電車がやってきた。
「じゃあ、また教室で。」
「そう・・・・、わかったわ。また、。」
あんまり赤坂にも迷惑かけないようにしないと。そう思い俺は次の電車で学校に行くこととした。
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「ふあ~~~~~ぁ・・・・。」
「ずいぶん長いあくびだね。やっぱり一日授業やってなかったからキツイ?」
やっとの七時間授業が終わり、放課後になったころ。俺と真奈は少し雑談していた。
「まあキツイのも確かだけど、日直の仕事がな。」
「ああー、確かにめんどくさいよね。僕も手伝っていい?」
マジ天使。萌え豚が全力の雄叫びを叫ぶ満点回答。というか俺が叫びたい。感慨に耽っていると
「ごめんなさい、お話のところちょっと悪いんだけど・・・・、学級日誌を・・・・。」
「ああごめん。書いたりするの少し長引きそうだから真奈は先に帰ってていいよ。」
すると真奈はしゅんとした顔で
「そっか、先に帰ってるね。」
上目使いで見てこないでくれ涙目やめてくれ可愛すぎて死んじゃう。
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哀しい別れをした後、委員長と俺だけがクラスに残っていた。にしても朝よりも気まずい空気が流れている。とっとと終わらせたい。
「その、鷲宮くん、私のこと分かる?」
「えっと・・・・。」
突然委員長が何か言ったのかと思えば、いきなり訳の分からないことを聞いてきた。ふつうに見覚えないんだけど。
「ごめん、覚えてない、かな。」
「そっ、そっか。ごめんね、変な事聞いちゃって。」
「いや、大丈夫だよ。よくある事だし。全然気にしなくていいよ。」
「う、うん。」
委員長ってあんなキャラだったっけ?まあいいや。そういう人もいるからな、と自分に言い聞かせながら
「それじゃ、また明日。」
そう言うと、俺は教室から出て行った。
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