風船が見える (2/2)


その日は学校に遅刻してしまい先生に怒られました

でもそのとき出て来た風船はきれいなものでした


ぼくはミイ君のいじめがはじまるのが分かります


なぜかっていじめがはじまる前はかならず

教室の天井にだんだん黒い風船がふえてきて

色もだんだん黒くなってきます


その日もいつものようにはじまるのが分かりました

ぼくの体はぶるぶる震えだしました

体を固くして椅子に座っていました


いっせいにどす黒い風船がうまれると

ぼくは3階の教室の窓から押し出されそうになりました


ぼくは窓の柱につかまりました

窓の外に向かってとっさに精一杯の声で


わっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!


と叫びました


するとぼくの体から赤い風船がたくさん出てきて

どす黒い風船とぶつかり

ものすごい勢いで破裂しはじめました


それでもどす黒い風船はうまれ続け

ぼくは一生懸命の外に叫び続けました

そして窓の柱にしがみついていました


ぼくのチカラが尽きてきて

声が出せなくなると

どす黒い風船がぼくを押し出し

窓の外にほおり出されました

チカラを振り絞って窓の柱にしがみついていました


ぼくはその風船の圧力に耐えきれなくなっていました

もう手が離れてしまう

そう思ったとき

ミイ君がぼくの腕をつかんでくれました


すると一気に黄色い風船が爆発的に発生して

どす黒い風船を押し返しました


ぼくはなんとか外にほおり出されずにすみました


ぼくはミイ君に

「ありがとう」と言いました

ミイ君もぼくに

「ありがとう」と言いました


毎日いじめがはじまりそうになると

ぼくは3階の教室の窓の柱にしがみつき

外に向かって

わっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

と叫んでいると

いつのまにか教室には

灰色の風船も黒い風船も出てこなくなりました

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る