スカートが揺れるのは

 白いスカートが風にたなびいた

 日差しの強い昼下がり

 いつもあなたといた公園 


 あなたがいたずらしたかしら

 風に手をかざすと  

 指のあいだで音が鳴り

 舞ってきたケヤキの葉が

 足元でくるりと回った

 

 振り向くとケヤキの木陰に木製ベンチ

 誘われるように近づいた

 

 見上げると緑のスクリーン

 いきなり風に木が揺れて

 たくさんの葉っぱが落ちてきた

 いたずらするのはやめてよね

 毛虫が服に落ちるじゃない


 ベンチに座ると

 また風にスカートが揺れた

 わたしの膝に横になり

 いつもケヤキを見上げて

 好きだと言っていた

 

 ケヤキの下は風の通り道  

 あなたのせい 

 わたしのスカートが揺れるのは

 どこかに行ってしまったあなたは

 どこにも行っていなかった

 ずっと公園にいるあなた

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