好きだよ。
@ac51073zero
第1話
君が好き。
誰の前でも飾らない君が好き。
いつも悩み事聞いてくれて、一緒に悩んでくれる君が好き。
何かに直向きに頑張っている君が好き。
「…で?ノアはどうなの?ノアは好きな人いないの?」
キラキラとした目でミアは私の方を振り返った。
「私は,まだよく分かんない」
咄嗟に苦笑いを顔に張り付けられたのは、もうそれを何回も行っているからだろうか。
「そっかぁ、でも好きな人できたら絶対絶対ミアに教えてね!」
ミアは少しがっかりしたような顔で、私の手を握る。ミアの手は小麦色ですべすべ、ザ女の子の手!と言う感じの手だ。それに比べて私のは、骨が少し角ばっていて男の子っぽい。
「はいはい」
ミアの手から自分のを抜いて軽くかわす。
「もう,絶対だよ!」
ミアはもう一度私の手をギュッと握る。
今度は顔に熱が溜まるのを感じ、うなずく振りをして、下を向いた。
ミアと私は幼馴染みだ。家も近くて幼稚園からずっと一緒。お泊まりだってした事があるし、沢山喧嘩をした事だってある。
一番大きかった喧嘩はなんだっただろうか。
ゲームで何回もミアを置いていって、ミアが怒った時だろうか。それとも私が一時期目を合わさなくなってミアが泣いた時であろうか。
もうそれが出来ないくらいにミアに隠し事ばかりしている今であろうか。
つい先日ミアは人生で初めて男の子に告白をされたらしい。その時はなんとも思ってなかったが、今になって彼がすごく気になると言う。
私の方が先に…なんて告白する勇気すらないのだから、妬いたって仕方がない。
幸せそうなミアの顔に、彼女の目に映る私への信頼、そして何よりこの恋愛相談を受けていると言うこの状況。
一人で悶々と悩んでいると授業中だと言うのにミアはこちらをチラリと見て先生にバレないようにひらひら手を振る。
私もこっそり手を振り返すと、ミアはふんわり嬉しそうに微笑んで視線を先生へと戻した。
可愛すぎる!!!!
はぁぁ…
もういいよ。
どんなに心が黒くなろうとも、どんなに辛くとも君の1番のともだちでいるからさ、ずっと隣にいるから。辛かったら私が笑わせてあげるから。恋愛相談だって聞くから。
だから
君は幸せでいてね。
君が笑ってれば、私も幸せだもん。
大好きだよ。
好きだよ。 @ac51073zero
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