第2話

前回のお客様に、CMしてもらったおかげで嬉しいことにお客さんが増え始めた。

俺は、毎日作成でいっぱいだ。相手とミーティングを重ねて作る、それは気持ちいけども…とても疲れる。


そんなある日、街中を歩いていると…

「おい兄ちゃん、お前さんダンジョン作るんだってなぁ。若いのにすげぇな。」

おじさんに話しかけられた。


「ありがとうございます。」

突然話しかけられたことに、驚きながらも挨拶をした。


「どうだ?俺にも1つ作ってくれないか?」


即OKしたいところだが、あまりにも身なりが悪いおじさんすぎて疑ってしまった。


「あの…高いですけど大丈夫ですか?」

俺は、恐る恐る聞いてみた。


「大丈夫に決まってるだろ!まさか俺が払えないとでも思うのか???」


「はぁ…わかりました。とりあえず話し合いましょう。」

おじさんが、声を荒げて強く否定してきたので、渋々承知したのだった。


俺とおじさんは、どう言うものがいいのかなどを話し合う。おじさんは、超超超無知で何も知らねぇ。

どうして俺のことを、知ったんだろな。


「でーどう言うダンジョンをお求めで?」


「あーだからさぁ、お前さんのオススメを作ってくれよ!」

オススメと言っててもなぁ難しいんだよな…なんてことを思いつつ話を聞いている。

どうやら…このおじさんの名前は、【ロイド=ザン】

自称 元外交官だったらしい、その時の話をたくさん聞かされた。


「俺はなぁ!テンス王国との戦争の時に、テンスの外務大臣と話し合って和平を結んだんだ!」


「へぇーそんなすごいことをしたんですか…」

なんてサラッと聞き流していた、周りも何かのおじさんって感じで見てたなぁ。


「って事で、自分のオススメでいいんですね。」

最終確認をする。


「おう!最高のを、頼んだぜ。」

おじさんは、すごくワクワクしているようだった。


そして、作成する日になった。

俺は、指定された場所へ向かう。

そこには、驚くべき光景とても小さな庭にとても小さな家があった。


(本当に払ってもらえるのか…?)

不安が頭の中を過ぎる…


「じゃあ!オススメ一丁頼むよ!」

陽気な感じで言ってくる、そこのお前!本当に大丈夫なのか?今なら、まだ取り消せるぞ!と、心の中で思ったがそんな事は、通じない。


仕方なく俺は、叫ぶ。

「ダンジョン作成!」


「ナビでございます!今回の作成は、どういたしますか?」

やっぱり頭の中に、響くナビの声。


「じゃあ今日は、D級ダンジョン初作成と行きますか〜。」


「了解しました。カタログを表示します。」


ボスカタログ D級

ベビードラゴン リーフ骸骨 等


「じゃあ…ベビードラゴンで!」

俺は、初ドラゴンに驚き早速選んでみた。


「了解いたしました。ドラゴン解放おめでとうございます。レベルが上がれば、もっと強いドラゴンを解放できますよ。」


「で〜宝箱は、4個各所に配置しといて。」


「了解。」


「そして〜敵は、骸骨とゴブリンでよろしく。」


「かしこまりました。これで全工程終了です。お疲れ様でした!」


「完成ぃ!」

叫んで完成!すると…光始めた。


「うぉっ!光が強いな…」

おじさんが目を、抑えている。


「完成しましたので。お支払い分の、15000ベルドよろしくお願いします。」

お金の話をすると、おじさんが怪訝な顔をした。


「はぁ?お前、金とるのかよ!このレベルで?」

「払うわけねぇじゃん。」

そんなことを言って煽ってきた、俺はイラっときたので一発言ってやった。


「はぁ…払うつもりがないなら軍に、通報しますよ。」

と、言ってあげたら。


「へん!お前の低レベルさにムカついたから払わないんだ!」

なんてことを、言い出したからもう怒った。


軍にも顔が利くスミスさんに、連絡してやったぜ。


「あっ!スミスさん、お世話になっております。ちょっとめんどくさい客に絡まれまして、作成したのにお金を払ってくれないんです。」


「それは、大変だ!そいつに電話を代わってくれ。」

俺は、あいつに電話を変えた。


「あん?お前が雑魚作成者の知り合いか?」


「そうだ…お前まさか、ロイドか…」


「そうだが?なんだ?」


「まだそんなことしているのか、ロイド…」


男が青ざめた


「あっあっ…あのえーっと…」

「わかった…すみませんでした、お金はしっかり払います。」


どうやら…この男は、スミスさんが軍の長官をしていた時の配下で、昔から悪いことばっかりしているらしい。


まぁ俺は、お金を払ってもらえればいいんだけどね〜

また夢のスローライフへ、一歩近づいた!



その頃の天界では…。

「少し悪いことしちゃったなぁ…まぁ乗り越えてくれたからよかったよかった。」

神様がそんなことを呟いていた。


つづく

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