第15話 最終話
誠と繋がって一年10か月。毎日やりとりをしていたけれど、一向に会える気配はない。ライターの仕事をしたかったことと、誠に会いたかったから東京に来た。ここまで行動を起こすことがわたしの人生にどれだけの影響があったのか。これくらい、微々たるものなのか。
本当に好きな人だから、誠の幸せを願っていた。その相手がわたしじゃなくても良かった。でもここまで関係が続いたことがわたしを勘違いさせた。
初めて出会ったときのあの音の正体が分かった気がする。
関わってはいけなかったのだ。
好きなことを仕事にするために東京に来たことはわたしの道だった。でも、誠に出会ったことはわたしが翻弄され疲弊していく原因だった。
あの音はそれを知らせてくれていたのだ。
そのことに気付くまで、約2年かかった。誠との2年は財産になった。大好きになれた人と繋がれる幸せを味わえた。
わたしは少し変われた気がした。
これからは他の人にも目を向けて次の恋愛をしよう。そう決めて、わたしの2年に渡る運命の人との恋愛は終わった。
運命の人の運命の人は違う人の場合がある。
運命の人は一人じゃないかもしれない。
これから私が出会う人と、最高の恋愛をするために誠との2年は必要だった。この経験を生かすも殺すも今後のわたし次第だ。
もうわたしから誠に連絡することは無いだろう。
おそらく、誠から連絡が来ることもない。
わたしはこれからも東京で生きて行く。
それが、わたしの選んだ、わたしの道だ。
モノグラムの純愛 kaoru @kaoru_379
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます