第3話
好きなことを仕事にできた重圧は思っていたよりすんなりとクリアすることができた。それが嬉しくて、仕事に集中したいと考えていた私は職場で好意を寄せてくれていたスペック三拍子が揃った年下男子のお誘いを断っていた。
それも、誠と優のコンビに本気になっていたからかもしれない。何かあったら誠を思い出すほど二人にのめり込んでいた。
そしてまた誠と優のステージイベントに参加した。そのとき、誠と目が合ったような気がした。だいたいの観覧者はそう思う。だから偶然に嬉しさを感じてイベントを最後まで楽しんでいた。
イベントが終わるころ、わたしは身体の不調を感じた。私は元々精神的に弱く、早くその場から逃げ出したい気持ちになることがあった。緊張して汗をかき、全身に力が入る。グッズの購入は何とか済ませ、その場を足早に去ろうとした。そのとき、前を歩いていた人にぶつかりそうになりながら避けた。そのくらい全身に緊張が走っていた。
その後の動画で、私は誠の様子がおかしいことに気づいた。もしかして、あの時目が合ったのは本当なのでは?ぶつかりそうに避けたことも見られていた?そんなおこがましい想像をした私は、二人の動画用のTwitterアカウントに精神症状が出ていてぶつかりそうに避けてしまったことをツイートしてみた。
次の日の動画では、また変化が見られた。やはりおかしい。私のTwitterを見ているかのような反応だ。そう思った私はまたツイートした。「パープルさんの動画で見た新居が素敵!」と。すると次の日の動画でそれを見たかのような動画がアップされた。
これは確信を持っていいのか?そんなことを思いながらツイートを続けた。ある日、相互フォローしているファン仲間が私のツイートと動画がリンクしているように見えることに気づいた。私はすぐに謝罪ツイートを投稿し、ツイートを辞めた。
私は複数のTwitterアカウントを持っており、別のアカウントでツイートしていた。すると、電子機器に詳しい誠は私の裏アカウントを特定したのだ。それが分かったのがインプレッションの急激な増加。誰かが頻繁に私のアカウントを覗いている。
それは誠と優なのだろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます