第4話
もしかしたら誠と優が裏アカウントを特定したのかもしれない。
そう思った私は、自分のことを比喩を使ってツイートしてみた。私はこんな人なので二人には釣り合わないと。
すると、それが誠と優を比喩を使ってアンチをしていると勘違いされたようだった。そこから誠、優、私の攻防が始まってしまう。動画で私に向けてのメッセージのような素振りを見せた誠と優。それに答えるようにする私のツイート。攻防はヒートアップし、私は疲弊してしまいアカウントに鍵をかけた。
しかし、様子がおかしい。私のそのアカウントにフォロワーはいないのにインプレッションとエンゲージメントが増えていく。
まさか、誠がハッキングしている?
そんなことがあるのだろうか。精神的にギリギリだった私はそんな発想をし、確かめるためにツイートで話しかけてみた。
すると自分が開いた回数以上のインプレッションが付く。おかしい。私は一度自分を冷静にさせるため、Twitterから離れることにした。
外は緑が増えはじめ、羽織は必要なくなってきていた。風はまだまだひんやりとしているが、日差しが心地よい。散歩にでかけると、花をつけはじめた野花が辺り一帯に広がって麗しい見晴らしだ。
私がTwitterから離れている間も誠と優の動画はチェックしていたが、明らかに以前とは様子が変わってしまったように感じていた。
Twitterから離れている間に、本当に私が思っていることが当たっていたのだろうか?誠と優はそういう事をする人なのだろうか?と、一度冷静になって考えてみた。
これまで見てきた二人の動画で悪い人だと感じた事がない。つまり、あれはわたしの妄想なのかもしれない。
そうだと結論を出したとき、すでに三か月が経っていた。
Twitterのインプレッションはたまたまかもしれない。そう思った私は、不可思議なことが起こったアカウントにもう一度ツイートしてみた。
「誠、大好き」
するとまたインプレッションが不自然に増えた。これは偶然ではない。
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