第2話
しんと冷えきった外気が窓を開けると滑り込んでくる。木々は葉を落としモノクロの景色にすっかり変わった中、私は仕事に向かう。季節は冬になっていた。
仕事は相変わらずの毎日。イベントをこなしながら勉強もしていた。惰性でしていたため、好きなことを仕事にしている人が羨ましいと思っていた。いつか自分も好きなことを仕事にしよう。そう思いながら自分の好きなことは何だろうと考えていた。ようやく見つけたのが28歳の時。アラサーになっていた私はようやく「書くこと」が好きだと見つけた。
仕事は性に合ってなく、イベントに興味を持てなかった。そこで私は思い切って上京することを決意した。それが29歳の時だった。
毎日の楽しみは誠と優の動画を見る事に変わりなく、誠と優がイベントを開催すると知っては応募し観覧に足しげく通った。
上京し、すぐに書くことを仕事にすることはできなかった。専門学校卒の私は書類選考で落とされることが多かった。その為、生活のためにアパレル販売員の仕事をすることにした。
しかし、三か月ほど経ったころ、東京に来た目的が「書くこと」を仕事にすることだった私は本来の夢を叶えようとライターの派遣会社に面接に向かった。
地元で副業としてネットでライターの仕事をしていた私にはポートフォリオがあった。面接でそのポートフォリオを3つほど送ると、社内会議を通過。派遣先を紹介してくれることになった。こうしてわたしは書くことを仕事にすることができた。
元々インドア派な私は会社と自宅の往復をする毎日だった。毎日は地元に居た時と変わりがない。ただ、仕事場と寝る場所が変わっただけだった。ただ、好きなことを仕事にできた。それが嬉しく思いながら毎日を送っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます