三節 「大阪、出会い」
次の目的地である大阪についてすぐのことだった。
僕はそこである女性に出会う。
それは、僕の人生を変える大きなことの始まりだったのだ。
大阪は人が皆和気あいあいと、活気に溢れていた。
大きな看板がいくつも並んでいる。
商店街では、お店の人とお客さんが楽しそうに話をしている。何でやねんとか関西弁が飛び交っている。
この光景は関西では当たり前のことかもしれないけど、関東に住んでいる僕としては驚くことだった。
店の人とお客が楽しく話しているなんてことは関東ではそんなに見られない。
前に訪れた東京と比べると、人の数は若干少ないのに温かさがあった。
ふと僕には関西の方があっているのかもしれないと思えた。この雰囲気、温かさ好きだ。
僕は今回は、人の温かさを求めて大阪に来たのだ。
人とのふれあいにより、心が軽くなることがあると言う。
日本人は、人間を救うのは人間だと考える人が多い。
例えばずっと悩んでいたことを、誰かに打ち明けてみると気持ちが楽になるようなものだ。
それは直接関わらなくてもいい。そんな空気の中に自分を置いてみるだけでも違うらしい。
少し精神論ではあるし、そんな馬鹿な話があるかと否定することは簡単だ。
でも何でも、試して見る価値はある。
行動しなければ、人は何も変わらない。現状を変えるためには何かアクションを起こさなければいけない。
少しでも可能性の有りそうなことは何でもしようと思っている。
『私のことを一生忘れないで』
また、彼女のあの言葉が頭をよぎる。
それは彼女の最後のお願いだった。
普段甘えたりする人ではなかった。
だからこそ僕はその思いを受け止めて、叶えてあげたいと思っている。
でも、思い出す度に心が痛くなる。どうしていいかわからなくなる。
どうして彼女はあんなこと言ったのだろう。
どうしようもないもやもやした思いを断ち切ろうと、僕は人混みに入っていく。
大通りの中心にどんどん進んでいく
出店のたこ焼き屋さんの前を通ると、店員が「お兄さん、たこ焼きどうでっかー」と大声で話しかけてきた。
僕は小腹がすいたので、その店でたこ焼きを買うことにした。
大阪のおばちゃんに圧倒されながらも、僕は自然と会話ができた。
僕は少し興奮しているかもしれない。
なぜだろう、いつもの僕と違う気がした。
これは変化の一つなんだろうか。
僕は確かに何かを感じていた。
少し遠くに通天閣が見えた。
どこか懐かしさを感じる。
その時、僕の前に彼女が現れたのだった。
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