第58話 57.時間切れそして海鼠へ生まれけり
ワード57は『時間切れ』だが、これは「形容動詞」の語幹なのか、それとも独立した「名詞」なのか。「犬」は名詞だが「犬だ」と言い切ると形容動詞的でもある。
そこで、検索した。
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wak********さん
2006/9/30 16:20
5回答
〔名詞+だ〕と〔形容動詞〕はどうやって見分けるんですか。
〔名詞+だ〕と〔形容動詞〕はどうやって見分けるんですか。
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ベストアンサー
猿田彦52さん
2006/9/30 17:48(編集あり)
「名詞」と「形容動詞」の見分け方ですね。
①、一番、簡単なのは「名詞」につなげる<接続>による方法です。
1、「~の(名詞)」となれば、その前のは「名詞」です。
例、「私の本」、「日本人の先生」。
「私」と「日本人」は「名詞」。
2、「~な(名詞)」となれば、その前のは「形容動詞」です。
例、「便利な本」、「親切な先生」
「便利」と「親切」は「形容動詞」。
②、もう一つは、<意味>で考える方法です。
1、「名詞」というのは文字通り、「名前」です。
物や動物(人物も)の名称から、代名詞、数字、時には抽象的概念も含みます。
上の例で言えば「私」や「日本人」がそうです。
2、「形容動詞」というのは物(人)の性質や性格、状態を表すのに使われます。
上の例で考えれば「便利」とか「親切」がそうです。
③、しかし、にもかかわず区別しにくい場合もあります。
特に「名詞」でも抽象的概念の場合、同じ語が「名詞」にも「形容動詞」になる場合もあります。
同じ「平和」という語について考えてみます。
1、「今、この国に必要なのは平和だ」
この「平和」は「名詞」とされます。
2、「今、この国は本当に平和だ」
この「平和」は「形容動詞」とされます。
これは①や②と考えてみればわかるのですが、
実際にはこのように区別のわかりにくい場合もあることをご理解ください。
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ということである。
俳句をつくる上で、言葉の品詞はどれほど重要化といえば、助動詞、助詞の用い方以外はさほど重要ではないといえるだろう。「形容詞」はなるべくつかわず、「動詞」は使わないか使っても一個に留める、などと入門書には書かれているが。
さて、この連載でこういうことをくどくどと述べるときというのは、俳句つくりに難航している場合である。
「時間切れ」という状態は、そのまま書くよりもその状況を伝えることに徹するほうが詩的だと僕は思う。だから、このお題が悪いのだ、といって切り捨てたいのだが、この悪いお題を人様にむかって投げてしまったという事実はいかんともしがたく、これもブーメランと腹を括って俳句にするしかないのである。
「はい。時間切れ」
とは、仕事上よく使うフレーズなので、つい…… この「つい」が仇となったというしだいだ。
八月は水平線へ時間切れ
春の日や丸ゴシックの「時間切れ」
オリオンがひっくり返り時間切れ
頭から手足や蝌蚪の時間切れ
雪合戦肉薄するも時間切れ
秋風にぴらぴらぴらと「時間切れ」
時間切れなれば蜜柑を剥きにけり
時間切れ妻は毛糸編むことも
時間切れポインセチアの鉢のそば
時間切れ焼藷代で買ふ汁粉
白鳥といふ時間切れ後の歌
時間切れ煮凝として二回戦
時間切れ小津安二郎鯵焦がす
バルコンの日向ぼこりの時間切れ
時間切れ閉てし障子のあちら側
時間切れ忘年会の無礼講
鮟鱇の体で示す時間切れ
卓上に蜘蛛見つからず時間切れ
脱出のヒントは薔薇か時間切れ
時間切れ延長希望冬の蝶
時間切れなどなき人の大根干す
竹馬に乗りなれしかば時間切れ
そして表題句
時間切れそして海鼠へ生まれけり
今回はこれで。
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