第9話
8月初旬、私はついにあの道を通らなくなった。それから8月下旬までのあいつのことはわからない。その間私はいつもの夏休みを過ごしていたが、毎日当たり前に存在していたものを突然失ったから、さすがに寂しくて泣きそうになった。何度も何度も後悔した。あのとき、何故ああしてしまったのだろう。自分を見せつけるために、どうして服を脱いだのだろう。考えても分からなかった。私の全てをそのまま受け入れてほしかったのかもしれない。だけどあいつはひまわりだった。正真正銘のひまわりなのだ。
8月下旬のこと。別な道で萎れたひまわりを見た時、そういえばあいつの写真を撮っていなかったということを思い出した。もう萎れてしまっただろうか。私はあいつが枯れたとは思えなかった。
次の日から、私はあいつのことを撮り始めた。
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