第7話

あいつは何も思わなかったようだ。ただ微笑んだままだった。当たり前だ。ひまわりだから、人の裸をみて興奮するわけがない。分かっていたはずだった。

ただ、急な展開に戸惑ったのか目がちょっと困っていた。そんな些細な変化で私は嬉しかった。この時間誰もその道を通らなかったから、私の体を見たのはあいつだけだった。

夏の日も傾いて、辺りから夕食の料理の匂いがしてくる。その日は早めにひまわりに別れを告げ、ひとりで幸せに浸って帰った。


次の週からあいつはこちらを見なくなった。

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