リラ・ヴィスト・シュヴァルベ

サイズ:Icup(95/58/93)


概要:ベルグリーズ王国の天才魔術師。23歳。黒髪に紫の目が特徴。


     ***


 まだまだ懲りてたまるものか……。

 素晴らしいおっぱいがまだこの世界にあると、私は確信していた。


 なぜなら、今まさに! まさに素晴らしいおっぱいの持ち主を追跡しているからである!

 どんな特徴かというと、黒髪ロングの女性であるということだ。


 一瞬すれ違っただけで確信した。あれは品評のしがいがあるおっぱいだと。

 そういうわけで追跡しているのだが……彼女、どこまで歩くつもりだ?


     ~~~


 歩くこと2時間ほど。

 彼女はやっと、自宅と思われる屋敷に到着したというものだ。


「お帰りなさいませ」

「おかえり、ししょー!」


 と、子供の声がする。

 なるほどこれはやりにくいな。


 などと迷っているうちに、玄関の扉が閉まる。

 だがこの程度、さしたる問題ではない。私には壁にへばりついて家の内側を覗く力があるからな。


 さて、どこだどこだ、ミラクルおっぱい。

 適当に這いまわっていると、やっと見つけた。慌てて体を隠し、視界だけ確保する。


 ここからは品評開始だ。

 露出度は低めだが体型にフィットした服装をしている彼女は、一目でわかる見事なプロポーションである。正しく“ボンキュッボン”と呼べる存在だ。

 バストサイズは90台、カップはH……いやIだろう。脱げばさぞや素晴らしい果実が、揉めと言わんばかりに主張するのであろうな……フハハハハハ!


 と、女性はつかつかとこちらに歩み寄ってくる。

 そして窓を開け放つと、呼びかけた。


「あなた……そこで何をしているのですか?」

「おっぱい」

「なるほど……私の胸を見ていたと。そうですか」


 落ち着いた声に聞こえるが、冷気と殺気が混ざっていた。

 私は取り繕おうと――


「いい、おっぱい」


 あっ。やってしまった。

 女性はしばし絶句していたが、やがて汚物を見るような目で私を睨み付け、そして呟いた。


「高く、天高く。汝その身を星とせよ」


 直後。

 猛烈な勢いで屋敷から引きはがされ、どんどん地面が遠くなる。


 またこれか。私は叫ぶ。


「何度星になればいいんだああああああああぁ!」




 無念、おっぱい。

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