愛と欲の女神メロメジカ(永井ゆるり子 様 in ジーク・ヒャッハー)

サイズ:Jcup。なお正確なスリーサイズは不明


特徴:身長165cm。肉感的、ボンキュッボンなカラダを持っている。基本的にダウナーな性格で、関西弁を話す。


     ***


 やれやれ、せっかく刑務所で懲役という名の休暇を取っていたというのに。

 やはりおっぱいを愛する者は、同じくおっぱいを愛する者を放ってはおけないのだろうか。


 そういうワケで派手な脱獄事件を起こし、私は自由の身となった。なってしまった。

 正直甘い物とおっぱいが無い以外は不満など無い時間であったが、こうして脱獄する事となった以上もはやそんなのんきな事は言っていられない……いや、一瞬、チラッとだけ言った。「報酬金から差し引いてくれても構わないから、甘いものをたらふく食べたい。今すぐ」と言った。


 なので甘さ強めの饅頭を頬張ってから、異世界へ向かう事になった。

 依頼人が手引きしてくれるので、移動先に迷うことが無いのは救いである。


 ……って待て。どこ、ここ? 左右を見渡すも、人影がほとんどない。てぇか暗いんですけど。


 慌てて依頼書を見る。

 そこには、「場所:闇の神々の王国」と明記されていた。


「う~ん、とんでもないところに来てしまったぞ……」


 私は目の前の現実に理解が追いつかない状態であったが、気持ちを切り替えて

透明化の魔術を行使した。


 そして歩くこと数分。依頼書に添付されていた写真と同じ女性を見つける。目標発見、私はそう心の中で呟いた。

 しかし距離が遠い。すでにとてつもないおっぱいを持っていることはおぼろげに分かるのだが、出来る限り正確な品評をしたいのである。


 無造作に距離を詰めたが、バレた様子はない。加えて、移動する気配も無い。ならば今こそ、絶好の機会である。

 品評、開始だ。


 まず驚いたのはおっぱいだが、敢えて後に回す。おっぱい以外で感動を覚えたのが、髪と瞳の色だ。見事なまでのピンクなのである。

 世間一般では染色して作る色と認識があるが、そんな様子は微塵も無い。天然の、“ド”の付くピンク色である。これが黒い薄布と良い対比になっているのだ、まあ目立つ目立つ。


 次に本題のおっぱい。正確なサイズまではうかがい知れないが、おそらくバスト3桁は固いだろう。カップはJか、大きくてもKと見た。

 何という質量。おそらく揉み心地は、最高クラスの柔らかさだろう。


 だが、私の本能が「手を出すな」と警告していた。

 こうなったのは以前にも、何度かある。後で追跡調査した結果、「対象が人妻、しかも夫婦仲は比較的良好である」という結論が出た。

 おそらく、この女性もそうだろう。ノルマは達成した、早めに撤収しなくては。


 しかし、驚くことに。

 女性は両腕を胸の下で組み、圧倒的な質量と谷間を強調してきたのである。まるで私がここにいることを知っているかのようだ。


 流石に、おっぱいの魔力と魅力には抗えない。

 ましてや「もっと見て」と言わんばかりのポージング。見る以外にあるまい。


 そうして撤収の意思もどこへやら、私がおっぱいをまじまじと見ていると、突如としてソプラノの声が聞こえた。


「あんたかいなぁ、ウチの胸をまじまじ見とったんは」

「はい、おっぱい」


 反射でつい答えてしまう。

 だが、ピンク髪の女性は穏やかに答えた。


「そうかそうか。なら、気が済むまで見とけばええ。なんなら見やすいように、もっと近づけたろか?」

「ありがとうございます、おっぱい」


 私の鼻息がかかるくらいの距離まで近づける。

 本能で感じる警告もあって理性は保っていたが、正直禁を破って触りたくなった。


 ともあれ、時が経つのも忘れてずっとおっぱいを見ていた。

 十分に堪能したところで、「ありがとうございました」と言って二、三歩ほど距離を取った。


 そこで女性が再び、口を開く。


「どういたしまして。さて、満足してくれたようだから、そろそろ言いたいことを言わせてもらうけぇ……。ウチはエロい目で見られるの平気やしむしろ歓迎やけど、他のらにやったらアカンよぉ?」

「はい、おっぱい」


 残念ながら、他の女性には今まで何度となく同じ事をしている。が、そんな事は今言う必要はない。何より話がこじれるのは面倒である。

 女性はさらに、「あと」と前置きしてから続けた。


「そういうコトしたい人がいるんなら、正々堂々と求めなアカンよ? あ、あとウチに求めるのもアカンからな? これでも旦那がいるんやでぇ」

「何となく気づいていました、おっぱい」

「そーかそーか。ならええわ……あ、メイディーちゃん」


 女性が話しかけた方向へ振り向くと、髑髏どくろの仮面を被った女性がいた。


「何だ、メロメジカ……待て、そこにいる男は誰だ?」


 どうやら、彼女も私が見えているようだ。

 その事実を頭で把握しつつ、私の目線は胸元へ向いていた。


「ふーむ……並盛なみもりおっぱいですな」

「何だと……?」


 仮面の女性が、みるみるうちに怒りを燃やしていく。

 メロメジカと呼ばれたピンク髪の女性を見ると、「あーあ、やっちまったわぁ」という顔をしていた。


「これってまさか」

「ふんっ!!」


 大鎌が私の脳天に、正確に突き刺さる。

 その、次の瞬間。


「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」


 形容出来ない痛みが、全身を駆け巡る。

 私はメロメジカさんに手を伸ばすも、それすら大鎌に斬られた。


「無念、おっぱい……」




 激痛に悶えながら、私はそれだけ絞り出すと……次の瞬間、意識が途絶えてしまった。

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