第946話 水と霊によって生まれる
「よく人が生まれ変わるというね」
「言葉上でね」
「もっと分かりやすく言える?」
「日本語にヒントがあるよ」
「どんな?」
「『霊性』」
「はー」
・・・
人の「霊性」は生まれ変わる。
【霊性】レイセイ
宗教的な意識・精神性。物質を越える精神的・霊的次元に関わろうとする性向。
「冷静」という語彙もあるように、「霊性の高い人」は動じる事がない。
また、「神の精霊に満ちる」という表現では「覚醒」という部分が強調されている。
福音書でイエスは「水と霊によって生まれ変わる人」こそ神の王国に入ると告げている。
「水」は「宗教の教理」を意味し、それに浸るバプテスマは一種の象徴劇だ。
次元上昇と解する人もいるが、実際のところ見た話ではないので保証も出来ない。
子供の心には、「霊性変化」が一番理解しやすいだろう。
イエスが「もう一度生まれる」という話をしても、指導者ニコデモは不思議に思っていた。
「風のような霊の体を持つ」という示唆は、「神の世界に行って暮らす弟子」にしか当て嵌まらない。
確かに、霊者としての「鬼」は別次元の生命であり風のようだが、悪事ばかり働いて来たので「霊性」は相当落ちている。
人類とは別に、彼らも裁かれるだろうし、人類も最後にはイエスが裁くことになっているから、自分の人生を護らねばならない。
人が生きる中で、せっかく培った「賢者の霊性」を捨て去り、次は「餓鬼のような霊性」を通して多くの罪を犯したと仮定するなら、「閻魔大王」はどんな裁きを下すだろう?
子供に話しても理解できないそうした話を追い求めていても、人生の道は後戻りが不可能なのだ。
イエスを信じる人は、「子供のようになれ」という言葉を通して明快に解釈するはずである。
「水と霊によって生まれる」という言葉を子供心で解釈すれば、
やはり、「神の霊性を得よ」という判断に終結する。
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