第843話 鬼が出るか蛇が出るか
「からくり人形あるでしょ?」
「あれね」
「『鬼が出るか蛇が出るか』と」
「おなじみのセリフ」
「少し怖い気もする」
「暴かれて怖いのは鬼の方だ」
「そう?」
・・・
からくり人形師は、子供に興味津々の謎掛けをする。
強く印象に残すためだ。
実際、「鬼勢力」は、「蛇の吐く水」で邪教の浸透を実施した。
それを受けて立つべきは、イエスが「子供たち」と呼んだ弟子の勢力である。
積極的に動いて、鬼を暴くという仕事が託されている。
子どもたちにも、興味深く教えてやらねばならない。
鬼は、地位の高い人の心を乗っ取り、傀儡(かいらい)として傘下に組み入れ、国家まで操縦してしまう。
日本はそれで、絶滅寸前まで追い込まれた。
こうした事態を避けるため、残されたヒントを繋ぎ合わせ、「鬼退治の光」を放たねばならない。
■現代の子供は理知的
古くは鉄人28号。
そしてマジンガーZ。
その後も多くのアニメが登場し、今は子供でさえ「操縦」という概念が理解出来ている。
車や船の操縦より、ロボットの操縦を知る方が鬼の行いに重なりやすい。
子供は、糸が見えなくても電波で操縦できると理解している。
それでも現実には、大人が子供に「鬼からの操縦」を具体的に教えなければならない。
大人たちも子供の頃に、ロボットで遊んだりしているから、鬼が人間操縦を行う時の雰囲気は推察出来るだろう。
一つ違うのは、人間というロボットに「自意識」がある所。
鬼は当人に気付かれないよう、密かに行動し、自意識を掻い潜る。
その場合、蛇のような「引き摺る手段」で仕掛けて来る。
※ 終わったと思っても続きがある。
つまり、こちらもある程度の粘りが必要。
イエスは弟子たちに、そうしたコツを教えたはずだが、大部分が失われてしまった。
取り戻したい我々は、先人から受け継いだ習慣や日本語に残されたヒントを頼りに光を当てつつ模索している。
鬼が闇に葬った秘密をどんどん暴く。これからも。
箱を開けると『鬼が出るか蛇が出るか』だが、
「鬼に敏感」な事と、
「恐れを抱く事」は別次元。
井ノ神と御子の「光」があれば怖がる事は何もない。
これが言いたかったのだ。
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