第816話 山と川への理解
「日本と海外は感性が違うね」
「例えば?」
「山と川の捉え方」
「そう、日本は聖書的」
・・・
「高い山」を見ると、海外では「征服したい」と考えるようだ。
→ マッターホルンは征服したか
→ エベレストはどうだ?
しかし、日本を含む東洋では、
「神聖な領域」と思うから構えが違っている。
「女人禁制」という制約も、山を神聖に保つためだという。
これは、聖書の民が持つ感性と同じなのだ。
※ モーセの民が、シナイ山に恐れを抱いた態度が典型となる。
海外に存在する山岳信仰を調べたが、いわゆる白人種のそれは見当たらない。
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ギリシャ神話の「オリンポス」などの山は、現在の社会で出会えないのだろうか?
※ もし、白人種の山岳信仰があるのなら知りたいものである。
ここまで、山への感性が違うのなら、「川」についてはどうだろう?
■川の捉え方
日本では「流儀」という。
海外では「スタイル」となる。
【style】スタイル
1.行動生活様式。
2.個人の趣向、流儀。
3.髪型、服装など。
4.品格、品位、風格。
液体の絶え間ない流れなら
→ flow(フロー)
但しこれは、「水」に限らないので聖書的な「川」の観念ではない。
「清らかな水の流れ」を指して、聖書は「川」としており、その水は人を潤す。
つまり、「宗教の流派」が川と一致するのは日本であり、
川の流れを「宗教的な形」で捉えるのは、東洋的思想である。
英語文なら、川(流れ)が織り込めない。
藤間流の踊り
the Fujima school of Japanese dancing
自己流のやり方で
in one's own way
日本流のお辞儀
a Japanese bow
マチス流の絵を描いた。
He painted a picture after Matisse.
「フローチャート」という用語もあるが、それは人為的な作業工程・経路を図式化したもの。
(運命的流れではない)
日本的な感性があればこそ、我々は「モーセ」についても「運命の流れ」という解釈が出来る。
■川を流れたモーセ
エジプトで、ファラオが恐ろしい命令を発した。
「ヘブライ人の赤子(男)は殺せ」
そんな状況でモーセが生まれたのだ。
出エジプト記2章
さて、レビの家のひとりの人が行ってレビの娘をめとった。
2 女はみごもって、男の子を産んだが、その麗しいのを見て、三月のあいだ隠していた。
3 しかし、もう隠しきれなくなったので、パピルスで編んだかごを取り、それにアスファルトと樹脂とを塗って、子をその中に入れ、これをナイル川の岸の葦の中においた。
4 その姉は、彼がどうされるかを知ろうと、遠く離れて立っていた。
5 ときにパロの娘が身を洗おうと、川に降りてきた。侍女たちは川べを歩いていたが、彼女は、葦の中にかごのあるのを見て、つかえめをやり、それを取ってこさせ、
6 あけて見ると子供がいた。見よ、幼な子は泣いていた。彼女はかわいそうに思って言った、「これはヘブルびとの子供です」。
7 そのとき幼な子の姉はパロの娘に言った、「わたしが行ってヘブルの女のうちから、あなたのために、この子に乳を飲ませるうばを呼んでまいりましょうか」。
8 パロの娘が「行ってきてください」と言うと、少女は行ってその子の母を呼んできた。
この『流れ』が無ければ、モーセは存在していない。
※ エジプトで起きた神からの災厄では、エジプト人の男の初子は死ぬことになった。
(ファラオへの反射だろうか?)
こうして、聖書の随所に『山と川への理解』(選民的解釈)が必要とされているが、
それは聖書の神が、日本的感性を求めている証拠ではないだろうか。
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