第804話 意思が聞かれるか?

「子供の難儀は救うべきだね?」

  「そりゃ当然でしょ」

「けど、邪魔者がいるよ」

  「だれ?」


・・・

イエスがこう告げている。




マタイ (障壁となった者)

23:37 ああ、エルサレム、エルサレム、預言者たちを殺し、おまえにつかわされた人たちを石で打ち殺す者よ。ちょうど、めんどりが翼の下にそのひなを集めるように、わたしはおまえの子らを幾たび集めようとしたことであろう。それだのに、おまえたちは応じようとしなかった。




救いに抵抗していたのは、

サンヘドリン。


ユダヤの支配組織。


イエスは「雛鳥」を救いたいのだが、障壁としてサンヘドリンが邪魔をしていた。


神との契約は、モーセを頂点とする選民と交わしており、サンヘドリンは「モーセの地位」を占めていたからだ。


当然、責任者がいる。


鬼はそこに割り込んで、効果的に操縦と遮断を行っていた。


鬼はよく「人類の意思を尊重してやれ」と言うが、「王」が擁立された体制では、王だけ操縦すれば配下や民の意思は無視出来る。


イエスの言葉には、そうした「鬼の巧妙さ」が形容されていた。



王はちょうど、ピラミッドのキャップストーンであり、本来は下積みの民の意思を集約する通信アンテナであるはずだ。


しかし、鬼がそれをさせない。


ならば、民衆が直接神に祈って届かないのだろうか?




 ■キャップを飛ばした未来図


ギザのピラミッドには、キャップストーンが存在しない。


これは、民衆と神との未来図に思えたりする。


三つの山を、「セム・ハム・ヤペテ」と想定すると、今のキャップ無しは「王のいない未来図」であり、一つ残るスフィンクスが彼らを守る「獅子」であるわけだ。


この状態なら、三つの山は直接天の神に繋がる可能性がある。


少なくとも日本は、未来図に近い状態に陥っている。



集団への大まかな運営方針など、王が依頼していた祈りの内容も、「個々の石」からの発信が届くかも知れない状況なのだ。




 ■神輿よお出ましを


伊勢に隠された神輿は御子の象徴だ。


しかし、思えば実に失礼な保管なのである。


民を見守る神殿になく、地下に封印されたまま。


それを「失礼」と言わずして、何と形容すべきだろう。


嵐の中に船が揺れていても、弟子はイエスを呼ばず、今も座礁中…そんな日本である。



一般民衆でも、直接祈れるなら、私は『御子師』に訴えたい。


「お出ましくだされ」


そうなれば、蛇の水が染み込んだ日本の状況も清められるのではないだろうか。


『意思が聞かれるか』…


今はまだ不明である。


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