第801話 縛りから解かれる日

「『銅』が人を縛って来たね」

  「どういう意味?」

「電線!」

  「あー」


・・・

電気による文明は「縛りの象徴」だった。


昔、ニコラ・テスラによる地球送電システムが発表されようとした時期、「銅」を買い占めていた金持ちが憤然とした。


「俺たちが損するじゃないか」


そこで


→ テスラの研究所を破壊


こうして「地球送電システム」(無線エネルギー伝送)の技術は消滅し、現代の「銅線」による縛りの文明が生じたのだ。



よく考えてみよう。


山の中に送電線を通すのは、大変な苦労である。


道路を設置し、

鉄塔を立て、

電線を渡す。


過疎の地域には、電気が行き届かない。


それで人々は、都会に集中して住む。


これは、人類を電線に繋ぎ止める「鬼の縛り」であったと気付いたのだ。


それでも、これ以上は考えていなかった。


今、壁を超えて進んでみよう。




 ■何と愚かな連中か?


電気が来ていない地域に住むと、実に不便な暮らしになる。


それで人々は都会に集中して住もうとする。


電気が来てない過疎地は、テレビがあっても見られない。


送電工事のため、まず電柱を立てる必要が生じる。


何という徒労。


そして、テスラの知恵を排除して、今の世界を目指した金持ちたちの愚かさ・・・


呆れ果てる。


終わりの日になって、テスラの技術が開放されると、都会からも田舎からも電柱と電線が消えるのだ。


それを見た人々は言う。


「何とアホな連中だったのか」

「金儲けのためだけ考えて」




 ■「支配のためだけ」考えた


鬼は、天の神の支配を遮断したいと考えていた。


そのために天の干渉を遮断し、「人類を自分たちに繋ぐ糸」が必要になる。


その具体例が「送電線」であった。


宗教なら「伝道」。


『我々に繋がっていろ』

『そうしない奴は阻害する』


いわば、「伝導線」である。




 ■太陽は繋がりを強制しない


太陽の恵みは、分け隔てしない。


昼であれば誰もが恩恵を受ける。


ところが、夜の世界では「飼育室」の中で光線の照射が必要だ。そうしないと植物も育たない。


鬼が作り出した恵みは、こうした不自然さに満ちている。


人は恵みを欲しているが、飼育室から阻害されたら実を着ける事さえ出来なくなる。


鬼が当初、「神の選民」を計画したのもその延長だった。


→ 人を天の神から切り離そう


「我々が『選民』を作って支配し、それを伝線として人類全体を支配するのだ」


この計画は、ホレブの山で阻止された。


「後の神」によって。




 ■諦めない鬼


「電気の恵み」も作り出された祝福だったが、宗教的な恵みも「鬼の飼育室」に入れないと阻害される仕組み。


イエスが告げたように、「夜は誰も働けない」・・・



しかし、「天の神の飼育室」があったらどうだろう?


夜の時代でも、救いが『そこ』にある。




 ■天の飼育室も乗っ取られた


選民がホレブの山で「後の神」に出会い、契約を結んだ。


契約を鬼から奪取した後の神は、夜の世界での「飼育室」を準備してくれていた。


当初は「エルサレム」。


しかしそれを鬼が乗っ取り、サンヘドリンを構築。


→ 冷酷の支配


そこにイエスが乗り込んで、温かい環境を注いだ。


すると鬼は、それも破壊する。


メシアの処刑後、


→ ローマとの戦争


天の神はその時、イエスに従っていた民衆を「荒野」へ逃した。


「日の本」と名付けられた極東の環境だった。


ところが、赤い龍がそこにも押し入り、配下の蛇が水を吐き、天の神の飼育室が蹂躙される。


→ 隙間風が寒い

 (ここは温室じゃない)


更に明治期、残った仕切りまで破壊され、内部に鬼の冷風がどっと吹き込んだ。


「文明開化」とは裏腹に、太陽の本拠は鬼社会となった。


そしてあの戦争。



戦後に残ってた「おまけの精神」も消え去ってしまう。


鬼との繋がりを象徴する

「666の刻印」…


それを受けてない人は「疎外感」に呆然とする時代になったのだ。


「666」には、「伝導線」という意味が含まれているようだ。


システムに繋がってないと

→ 金銭が流れて来ない



しかし今、

『縛りから解かれる日』が近い・・・


送電線や、送金線が無くても生きられる神代が来る。


「お金が来ない?」

「そんな繋がりは無用」

「フリーな世になるよ」


鬼と戦う戦士には、

神の光が見え始めている。


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