第797話 床の間の大掃除
「寝てたら耳元で音がするんだ」
「どんな?」
「ジワ!」
「妙な音」
「その時、夢を見てた」
「内容は?」
「床の間のゴミ掃除」
「えー?」
・・・
真っ暗闇の中で、妙な現象。
→ 耳元で音
通常なら恐怖に満ちる場面だろう。
しかし私の場合、怒りが爆発。
「鬼か!」
「底知れぬ所へ行け!」
これは、ある種の反射的感情。
鬼は恐怖心に満たされる私を期待していただろうが、「怖くないぞ」などの強がりは必要ない。
過去の経緯を思い出す私は、鬼の存在を感じ取ると怒りの感情が爆発してしまうのだ。
「よくも今までなぶったな!」
これは記録に残そうと、
闇の中で動き始めた。
■なぜ闇を残すのか?
以前、疑問を抱いていた。
「日本はまだ闇じゃないか」
「なぜ?」
個人的にも、鬼が闇に活動するのを経験しているが、
その時の鬼は、脳裏に「恐怖のイメージ」を流し込んで来る。
しかし今回、それは無い。
鬼どもは、「灰になった」のだろう。
霊能者なら、鬼の悲鳴が聞こえるはずなのだが、私にはそこまでの霊感が不足している。
「一服するか」
ここで飲み物などに手が出そうになる。
しかし敢えて遮断し、書き続けた。
■床の間のガラクタは何?
夢の床の間は、湿ったダンボールのようなものが重なり、ツボのような容器もあった。
価値ある品物じゃない。
恐らく、過去の祖先から残されたガラクタの蓄積だろう。
薄暗い床の間にずっと置かれて来たもので、暫くはどうすべきかを思いつかなかった。
決意して処分を始めた時、「ジワ!」という音が聞こえたのだ。
それで目が覚めた。
この先、何らかの啓示が来て、「これを処分せよ」とか教えられるのかも知れない。
日本という国家にも、闇の部分が残されており、鬼がその中を徘徊している。
鬼は「魚」で象徴され、闇の水域に集まっているはずだ。
そして最後には、御子によって煙になるのだろう。
夜明け前からイエスが活動を始めたのも、それに似た深い理由があるはずだ。
日本の政権にも、氷水のような水域が残っており、私の生活もそれによって凍り付きそうになっている。
しかし、そうした冷水域に鬼が追い込まれた結果、御子による大掃除が完了するのかも知れない。
待ち切れない人が多い中、『床の間の大掃除』が素早く完了する事を願っている。
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