第788話 祈りの考察1

「祈りを考察したよ」

  「おお!」


・・・

なぜ祈りが聞かれない?

(期待しないで聞いて欲しい)



まず、楽園から人類の祖を連れ出したのが鬼ならば、当然、独壇場である。


真の神と遮断しようと、闇を広げ、通信も出来なくするのは当然だ。


天の神の名を消すのもその手段の一つだった。



人類が少ない頃、その頭の中身は全て読み通し、都合よく神に化ける事が可能であり、誰も神が鬼だとは思わなかった。


その後、人口が増加し、メンテが行き届かない事態になった。



徒労を半分にするため、鬼は人類多数に「この世界に神はいない」と、信じさせる必要を感じた。


「進化論」などが世間を席巻したように、鬼の角の一本は「無神論」である。


科学技術の世界を支配し、

学者を通して姿を消す。



他方、自分たちを神として崇拝させる必要もあるから、熱心な祈りを聞いたりもする。


その時、捧げ物を見て忠誠度を判断している。


中でも悪魔崇拝者は、都合よく生贄を提供するから、願いを聞かれる確率も高い。


また、ソロモンは非常に多くの動物を生贄に捧げる中心人物であったから重視されたようである。


ただ、晩年には「モレク崇拝」(幼児を火の中に投げ入れる)に参加してしまった。


※ モレクは牛のような角のある神であり、日本でソロモンは「牛頭天王」と習合しているかも知れない。


こんな諺もある。


(あれ程の賢人が)

→ 脆くも崩れ去った


※ 「脆く」は、「モレク」と「耄碌」との掛詞だろうか。



ユダヤは神の民だが、その民衆は、善良な神に繋がりたい。


しかし、その回路となる「創造主の名」が消失。

(意図的に消された)


これも祈りの回路を断つ手段であっただろう。





 ■契約を遮断する鬼


鬼は無法者のように思われているが、実は契約を重視し、名目を盾にする。


エデンの園でアダムとイブを引き入れた契約は、「鬼神の組織」との専属であった。


やがて、人類が増加し、神の選民と呼ばれる集団が形成される。


この時、選民の始まりを企画したのは鬼神である。


鬼神と選民はホレブの山で出会って本格的な作業に入った。


ところが、「前の神」が準備した契約の石板(十戒石)は民の背教を切っ掛けに割られ、破棄される。


二度目の登山で出会った神は善良な波動を発しており、モーセの顔は輝いた。


ここで遂に、選民は天の神との契約の証の石板を通して、エデンの間違った選択から立場を変えたのだ。



その後も、鬼の軍は契約の箱を狙って戦いを仕掛け、ペリシテ人がそれを奪った事件がある。


→ ダゴンの神殿の話


この時期、箱が放つ天罰により、敵は謝罪の贈り物を添えて返却して来た。


「箱(アーク)の威力」恐るべし。


しかし、人類多数はこの契約の中に含まれず、天の創造主は手出しが出来ないため、最終的に自分の子であるイエスを犠牲にする形で人類を受け戻す糸口を得たのだ。



鬼は、選民が得た「契約の箱」が邪魔で仕方がない。


それを、選民が使うと天の神との通信回線が繋がり、敵から守られる。


ヒゼキヤ王の時代に、アッシリアが攻めて来て征服されそうになったが、王が契約の箱に祈りを唱えた結果・・・敵の大群は殲滅された。




列王記下18章〜19章(天の声)

19:34 わたしは自分のため、またわたしのしもべダビデのためにこの町を守って、これを救うであろう』」。

19:35 その夜、主の使が出て、アッスリヤの陣営で十八万五千人を撃ち殺した。人々が朝早く起きて見ると、彼らは皆、死体となっていた。




選民にとって、契約の箱はこうした命綱。


それが無いなら、祈りの回線が繋がらない。


鬼は勿論、そうした破局を狙って箱への攻撃を仕掛けている。


→ 地下への埋没


強力無比な祈りの箱が、なぜか衆目から引き離され、地下の闇に隠されてしまった。


→ 選民専用の回線は消滅


伊勢に行っても至聖所に箱は無い。




 ■諸国民として祈る


選民の特権は「箱」が与えてくれるのだが、それを隠して無謀な戦争に突っ走った日本。


当然これで勝てるはずもない。


祈りは空転し、諸国民の祈りに負けてしまった。


箱の回線が切断された選民は、もはや諸国民の立場。


鬼が邪魔を入れる中、天の神の名「井」と御子の名「シロ」で願い続け、祈りが機能するまで頑張るしか無い。




 ■福音書を頼りに


ヨハネの書などでは、イエスが「祈りを聞いてあげよう」と弟子に告げている。


それは、「昼間の十二時間」を意味しているかに思える。


十二弟子が存命の期間であったと考えてみた。


それを過ぎると「夜」。


イエスは、こう教えている。


→ 「夜は誰も働けない」


我々は、夜の支配者である鬼神に祈っても仕方がない。


再び、次の夜明けが来る「終わりの日」まで耐え忍び、その間は鬼との戦いに明け暮れるしかないのだろう。(?)


祈りの考察について、


これ以上は、まだ答えになっていない。


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