第764話 制御信号の話
「不思議に思うんだけど」
「何かな?」
「犬は舌が長いでしょ?」
「うん」
「それを口から出してる」
「そうね」
「何で噛まないの?」
「えっ?」
・・・
よくある疑問。
子供に聞かれたら、こんな例えがいいかな。
「踏切は何で勝手に締まるの?」
「制御されてるからだ」
「『せいぎょ』って?」
「開けるか閉めるかを決めるの」
「どこで?」
「脳みそみたいな場所」
「へー」
脳からの制御信号は、
舌と顎からの「位置情報」を読んで決められている。
間違って口を閉じたら、大変だから・・・
→ 情報の収集
→ 制御信号発信
それが瞬時に。
猫が高い所に飛び上がる時、
目測でそこまでの「距離」を読み取り、
筋肉に『必要量の力を出せ』と制御信号を送る。
もちろん、「筋肉の限界」がインプットされているから、飛び移れない距離なら諦める。
これは、昆虫に至るまで、全ての生命体に共通である。
植物でさえ、「自分の傾き」を検出するセンサーを持ち、垂直の姿勢を保っているわけだ。
無秩序に群生しているかに観える植物も、周囲の仲間が何であるかを感知する化学物質でのやり取りを行い、制御や牽制を行っている。
それが、
「植物の縄張り意識」。
■世の中の制御信号
人類の脳は独立しているかに思えるが、実は「集団からの信号」(脳波)を読み取りながら暮らしている。
(漠然と)
多数の人が幸せ気分でも、一部少数の民に苦悩があれば、それが全体に影響する。
だから憲法は、個人の権利を強調し、国家全体の幸福を目指しているのである。
上層部は、そうした制御に必要な情報を集めているだろうか?
「抑え込めば解決する」
そんな考えは、「制御」じゃない。
何よりも、神の心に情報は届いている。
それでこの先、強制的な「制御信号」が送り込まれるだろう。
救いはまず、底辺だ。
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