第753話 鬼の憑依を経験

「鬼が憑いて来てね」

  「おっ!」

「急に左脇が痛くて」

  「対処した?」

「排除」

  「どっから来たかな」

「さー」


・・・

買い物をして戻ったら、

暫くして左の背中に激痛!


時々、肩に来る奴がいるが、

今日は背中だった。


「イタタタ!」


急激で異常な痛み。

すぐに鬼だと気付かなかった。


「悪いもの食べたかな?」


念の為に、毒消しの「セレン」を一錠。


しかし、傷みの度合いが半端ではない。


やっと、気付いた。


「鬼か!」


どこかで拾ったらしい。

傷みが増す中、鬼を放逐。


「背中の鬼」

「底知れぬ所へ行け!」

「一匹残らず!」


すると、一分もしないうちに痛みが引いた。


鬼はよく、右の肩に着いて傷みを生じさせる。


今回は左の背中であったから、うっかりと見逃していたのだ。




 ■コースが変わったら注意


予定として、いつもの店を目指すはずだった。


ところが、行くはずのない店にコースを変えた。


これが何らかのサインだったようだ。


いつもの店で良かったのに、「ふと」気分が変わる。


→ これが危ない


鬼はどこにでもいるから、予定変更で別の場所へと誘導するのだが霊能者じゃないので、その理由まで説明出来ない。




 ■鬼も顔見知りするのか?


いつもの店だと、鬼も私の素性を知っていて、いきなり仕掛けては来ない。


しかし、別の場所へ行くと、鬼も「見知らぬ顔」として手出しする可能性はある。


ちょうど「鬼憑きの客」が来ていた時期に入店し、『乗り換え』が起きたのだろうか。


鬼の鷲掴みが起きたので気付いたが、それが無ければ見逃していた。


鬼を拾う度に落とすのも手間なので、光を放つ装束でも着てみようか・・・しかし、あまりにも目立つ。


そんなわけで、


「鬼の憑依」を経験し、


目立たないが「光を発する鎧」というのを考慮中である。


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