第737話 「鬼ロック」の話

「『鬼ロック』って恐いね」 

  「音楽の話?」

「そうじゃなく脳へのロック」

  「あー『思考の金縛り』ね」

「やられたら、すっぽ抜けるって」

  「巧みな印象操作だな」

「不利にされても気付かないんだね」


・・・

その人は、ロックが外れて気付く。


「イメージダウンだったのか」


例えば、入れ墨のシールを買わされて、「カッコいいよ」と言われ、そのまま町の中を歩き回ってるような人。


また、右翼の宣伝カーを店の横にある空き地に預かって、イメージダウンに気付かない中古車店主。


人に貸したキャッシュカードを勝手に使われ、ブラックになるまで放置する人。


キーワードは「放置」。


鬼は攻撃相手の頭脳にロックを掛け、「放置」へと誘導する。


目的は、彼の「イメージダウン」である。



イエスを『罪人』として裁いた時も、「イメージダウン」をフル活用していた。


(イエスは知っていたが)



民衆は、イエスを悪人に分類して本気で叫んでいた。


「こいつは悪人だ!」

「処刑しろ!」




 ■個人も団体も「鬼ロック」


鬼ロックが外れた瞬間、「正気」の判断が出来るようになる。


「しまった、そうだったか!」


鬼は狙った人のイメージを落として、『悪人』の部類に入れてから料理する。


→ 「罰則」を適用


渦中の人の噂は、急速に広範囲に流されて個人や集団が「鼻つまみ」になる。


※ 例えば交通警察が、駐車禁止の仕事を巡視員に委託し、罰金から手数料を得る形にした結果、『稼ぎ』が始まり罪人が量産される。それは反射して警察のイメージダウンになる。…それを教えようと親切な市民が出向いても、受け付けない。

(終わりが来るまで…)



結局、ロックが外れるまで「当人」は気付かないのである。


外れた瞬間


「あっ、そうか!」

「悪臭を放っていた」


気付いても「遅い」のだ。



黙示録にある「岩陰の高官たち」がなぜ、手遅れになるまで気付かなかったかが納得出来るだろう。


「鬼ロック」は、それほど「長期間」人を縛るという事である。



天軍が鬼を駆逐し始めると、国のあちこちで「正気」を取り戻す人が出始める。


今が恐らく、その時ではないかと思うのだ。


「私はなぜ、気付かなかった?」


「手遅れ」ではあるが、『鬼ロック』も攻撃の一種である…と知ってた方がいい。


少しは、御子に言い訳が出来るのだから。


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