第607話 羞恥心から周知心へ

「跨いで通る話ってあるね」

  「うん」

「なぜ跨ぐのだろう?」

  「羞恥心とか」

「公序良俗?」

  「うん」


・・・

マタイの聖句が教えている。




マタイ15章(公序良俗は人が決めた)

7 偽善者たちよ、イザヤがあなたがたについて、こういう適切な預言をしている、

8 『この民は、口さきではわたしを敬うが、その心はわたしから遠く離れている。

9 人間のいましめを教として教え、無意味にわたしを拝んでいる』」。




「人間の戒めを教える?」

その意味は?


→ 「公序良俗」に反する


これは、一種の罠だった。

イエスの話を通して考えよう。




10 それからイエスは群衆を呼び寄せて言われた、「聞いて悟るがよい。

11 口にはいるものは人を汚すことはない。かえって、口から出るものが人を汚すのである」。

12 そのとき、弟子たちが近寄ってきてイエスに言った、「パリサイ人たちが御言を聞いてつまずいたことを、ご存じですか」。




イエスは「体から出る」というテーマで話している。


パリサイ派は、それを「排泄」と蔑んで跨いで通るのだ。


世の神の教育で固められ、そうなってしまった。


イエスがそれを指摘し、矯正した結果、愚かさが露呈した。


彼らは「下半身は汚い」と決めてしまい、出たら廃棄物としてゴミ扱いする。


しかし、創造主の特性は循環と再生。


エコロジカル サニテーション https://daiobio.co.jp/ecological-sanitation/



宇宙の仕組みにそれが現れている。


→ トーラス理論


「入口」=「ブラックホール」

「出口」=「ホワイトホール」


ヒントは、古き日本文化。

廃棄物を再利用する。


それを神社の「狛犬」と比較出来る。


「ブラックホール」は、口を開いた「阿の狗」。


「ホワイトホール」は、口を閉じた「吽の獅子」。


片方しか教えなければ、鬼とは戦えない。




 ■羞恥心を利用された人類


エデンの園で、アダムとイブは羞恥心を持つようになり、それ以降、長い歴史を「阿の狗」の懐で過ごした。


その間、徹底した「偏り教育」を受けている。


→ 口は清いが下は汚い


そうだろうか?


聖書の編纂も偏っているから、イエスの言葉がかなり切り捨てされているだろう。


しかし聖書の「腰から出る」という表現は廃棄物を意味しない。


「腰」から出る→ 子が生まれる


創造主の感性で、人体を宇宙と重ね、「トーラスの出口」を「腰」としているのだ。


「腰から出る」ものは「聖なるもの」であり、「性なるもの」でもある。


排泄物も腰から出るが、創造主はその再利用と循環を意図している。



イエスが、偏見を持たない「子供の感性」を強調したのは、「下(しも)の話」を毛嫌いする「大人の感性」を正すためだった。


避けていれば、その部分が闇となり、そこが「鬼の隠れ家」とされる。


であれば、人は鬼と戦えない。


イエスはそんな弟子の闇(病み)を正した。




 (パリサイ組織の破棄)

13 イエスは答えて言われた、「わたしの天の父がお植えにならなかったものは、みな抜き取られるであろう。

14 彼らをそのままにしておけ。彼らは盲人を手引きする盲人である。もし盲人が盲人を手引きするなら、ふたりとも穴に落ち込むであろう」。

15 ペテロが答えて言った、「その例えを説明してください」。

16 イエスは言われた、「あなたがたも、まだわからないのか。

17 口にはいってくるものは、みな腹の中にはいり、そして、外に出て行くことを知らないのか。

18 しかし、口から出て行くものは、心の中から出てくるのであって、それが人を汚すのである。

19 というのは、悪い思い、すなわち、殺人、姦淫、不品行、盗み、偽証、誹りは、心の中から出てくるのであって、

20 これらのものが人を汚すのである。しかし、洗わない手で食事することは、人を汚すのではない」。




「厠に行ったら手を洗え」


これを強調する理由は、「世の神」の意向に人々を染めるためであり、

正常な思考力を散らすためである。



「腰から出る者は汚物」(?)


この「病みの教え」が弟子たちまでおかしくしていた。


小さな子供なら偏見を持たず、イエスの正しい教えが吸収できる。


イエスは「医者」でもあったから、人の全身を正常な目で見ていた。


「下の話」も、跨ぐ事なく伝えているはずだ。


※ 日本での「肥溜め文化」はその流れで生じた知恵の所産である。


それを熟慮せず、跨いで通るなら、イエスのような「医者」にはなれず、農地も痩せこけてしまう。


医者が、全身の病魔と戦うように、正しい宇宙観・洞察力を備える事で、悲惨な飢餓も消滅する。


「羞恥」の話が「周知」まで熟成されると、世界は豊かに変化する。


羞恥心では鬼と戦えない。



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