第553話 憂いやつじゃのう

「『ういやつ』の意味は?」

  「えー?」


・・・

「うい」


そこには、「子供のような」といった意味が含まれ、現代ではそうした用法が多いようだ。



【愛い】ウイ

子供や女性を愛でる表現。


https://thesaurus.weblio.jp/content/%E3%81%86%E3%81%84%E3%82%84%E3%81%A4



「初」の意味も含む。



【初山踏み】ウヒヤマブミ

1.初めて山に登る。修験者が大峰・葛城山に登る事。

2.初めて学問の道に入る事。



古い時代はこちら。



【憂い】ウイ

1.憂鬱。

2.思うに任せない。惨め。

  なさけない。



実は「イエスの立場」に合致。


ユダヤの都に来たイエスは、民衆を指導する指導者たちから、多くの愚弄を受け続けていた。


冷血の連中と、暖かい御子の違いを、簡単に説明したいのだが。




 ■凍った水道


ふと台所に立って蛇口をひねると、水が出ない。


→ 凍っていた


それが、「違い」を知るヒントだった。


イエスに敵対していた指導者の心は


→ 冷徹


御子なら「水に流す」話も、いつまでも問題視する。


イエスは、冷たい連中への対処で「憂い」に満ちていた。


墓に入るまで。



そして墓(魚の腹)から出た時、その心は别人に代わっていた。


※ 「神の存在」も変化していたと思われる。




ヨナ書

2:10主は魚にお命じになったので、魚はヨナを陸に吐き出した。


※ ここから先、ヨナも神も入れ替わっている。




第3章

3:1時に主の言葉は再びヨナに臨んで言った、

3:2「立って、あの大きな町ニネベに行き、あなたに命じる言葉をこれに伝えよ」。

3:3そこでヨナは主の言葉に従い、立って、ニネベに行った。ニネベは非常に大きな町であって、これを行きめぐるには、三日を要するほどであった。

3:4ヨナはその町にはいり、初め一日路を行きめぐって呼ばわり、「四十日を経たらニネベは滅びる」と言った。

3:5そこでニネベの人々は神を信じ、断食をふれ、大きい者から小さい者まで荒布を着た。

3:6このうわさがニネベの王に達すると、彼はその王座から立ち上がり、朝服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中に座した。

3:7また王とその大臣の布告をもって、ニネベ中にふれさせて言った、「人も獣も牛も羊もみな、何をも味わってはならない。物を食い、水を飲んではならない。

3:8人も獣も荒布をまとい、ひたすら神に呼ばわり、おのおのその悪い道およびその手にある強暴を離れよ。

3:9あるいは神はみ心をかえ、その激しい怒りをやめて、われわれを滅ぼされないかもしれない。だれがそれを知るだろう」。




変化を知った神は、暖かい対応をした。




3:10神は彼らのなすところ、その悪い道を離れたのを見られ、彼らの上に下そうと言われた災を思いかえして、これをおやめになった。




この措置を、「水に流す」と言う。


しかし、ヨナの方は頭が凍り付いており、「流せなかった」。




第4章

4:1ところがヨナはこれを非常に不快として、激しく怒り、

4:2主に祈って言った、「主よ、わたしがなお国におりました時、この事を申したではありませんか。それでこそわたしは、急いでタルシシにのがれようとしたのです。なぜなら、わたしはあなたが恵み深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災を思いかえされることを、知っていたからです。

4:3それで主よ、どうぞ今わたしの命をとってください。わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです」。

4:4主は言われた、「あなたの怒るのは、よいことであろうか」。



冷血のヨナはどこへ行ったのか?


→ 東の方




4:5そこでヨナは町から出て、町の東の方に座し、そこに自分のために一つの小屋を造り、町のなりゆきを見きわめようと、その下の日陰にすわっていた。




※ ヨナが造った一つの小屋がある。…それが「胡瓜畑」にあったかどうか定かでない。

ただ、彼が『太陽の直射』に弱いのは確かである。




4:6時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。

4:7ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。

4:8やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照したので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」。

4:9しかし神はヨナに言われた、「とうごまのためにあなたの怒るのはよくない」。ヨナは言った、「わたしは怒りのあまり狂い死にそうです」。

4:10主は言われた、「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。

4:11ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか」。



「ニネベ」が符丁であるなら、文字通りの場所を指していない。


日本が「バビロン化している」という観察もあるので、救いはその意味でも有り難い。


しかし「憂い奴ら」の過去を水に流してやれないヨナ(2章以降)は、明らかに「氷のヨナ」である。


悔い改めた人々を許せない…


「憂いやつじゃのう」


早く太陽に、その頭を溶かしてもらえ。



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