第497話 カルトの功罪

「カルトを経験した事ある?」

  「いやー」

「参考になるよ」

  「どんな意味で?」

「雰囲気が軽い」

  「軽い?」


・・・

「軽徒」の洒落が出そうだが、勿論、当事者は真剣だろう。


しかし、内部に充満する雰囲気が「軽い」のは確かなのだ。




 ■鬼の、お気軽旅行


古い時代、創造主の左腕であった龍神は、天地を行き来していた。


ヨブ記に書かれている。



ヨブ記1章

6 ある日、神の子たちが来て、主の前に立った。サタンも来てその中にいた。

7 主は言われた、「あなたはどこから来たか」。サタンは主に答えて言った、「地を行きめぐり、あちらこちら歩いてきました」。



この記述は確かに龍神だ。


→ 天地を行き来する


『梯子』が外される前なので龍は遊行の自由を満喫していた。



資料:

天一神(なかがみ)の意味

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%A4%A9%E4%B8%80%E7%A5%9E/



以下:資料より


【天一神】(中神の解説)

陰陽道 (おんようどう) で、八方を運行し、吉凶禍福をつかさどるとされる神。

己酉 (つちのととり) の日に天から下り、東・西など四方に5日ずつ、北東・南東など四隅には6日ずついて合計44日、癸巳 (みずのとみ) の日に正北から天に上って16日間天上にいて己酉の日に再び下って前のように遊行する。

(引用感謝)



当初、「天一神」は創造主かと思ったが、天地を「移動する神」となれば、確かにサタンである。


司るのは・・・


→ 吉凶禍福


もし右腕のイエスなら、

「吉と福」の暖かい神である。


サタンを「悪事のみ」に限定してしまうと、取り返しがつかない間違いを犯す。


ヨブは、こうつぶやいた。


「神は良い事も悪い事ももたらす」


彼は、自分に取り憑いた神の正体を無意識に吐露していたという事だ。


サタンは悪事だけ・・・と思い込んでしまった人には、微妙な状況が読めない。


同一神が「吉凶を与える」という教えは、世界の宗教に観られる。


しかしイエスは、福音書で教えていた。


「サタンがサタンを追い出さない」




マタイ12章 (イエスの戦い)

22 そのとき、人々が悪霊につかれた盲人で口のきけない人を連れてきたので、イエスは彼をいやして、物を言い、また目が見えるようにされた。

23 すると群衆はみな驚いて言った、「この人が、あるいはダビデの子ではあるまいか」。

24 しかし、パリサイ人たちは、これを聞いて言った、「この人が悪霊を追い出しているのは、まったく悪霊のかしらベルゼブルによるのだ」。

25 イエスは彼らの思いを見抜いて言われた、「おおよそ、内部で分れ争う国は自滅し、内わで分れ争う町や家は立ち行かない。

26 もしサタンがサタンを追い出すならば、それは内わで分れ争うことになる。それでは、その国はどうして立ち行けよう。



イエスは真剣勝負。


「芝居を演じている」わけではない。


いわば


→ 「本気の戦い」


神に化けた鬼が、仲間の協力を得て演じる「悪霊払いの劇」であれば、今現在も続いている。


それを学んだのは、「カルト」に在籍した日々からだった。


その内部の、若者が教えてくれた。


「悪霊が耳元で話し掛けるのです」


実に気軽である。

勿論、集会中の出来事ではないが、それにしても鬼は友人のように振る舞っている。


(それ以外にもあるが割愛)


この囲いがもし、真剣な鬼との戦いを行っているのなら、鬼は内部に侵入さえ出来るものではない。


入ったとしても、極端に緊張しているだろう。


今から思えば、その組織は「『ごっこ』をしていた」という話になる。


→ 神の救いを演じる芝居


イエスが教えた話は、これじゃなく、実際の「真剣勝負」を指している。


→ 生きるか?死ぬか?


カルトの雰囲気は、その緊迫感に欠けていた。




 ■自作自演は世の常


世界で起きた事件の中で、「クライシス・アクター」と呼ばれる役者が芝居を演じている。


大衆心理を操縦するためだ。


メディアは、そうした緊迫感を煽って敵対感情や金銭の流れを作り出す。


同じ行いを、目に見えない世界で「神々」を装う堕天使が演じているのだ。


信じ切っている信者は、彼らのカモである。


これらは外に出てから理解出来た事柄であり、今も鬼との戦いに役立っている。


それを、「カルトの功罪」と呼べるかも知れない。


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