第484話 イエスの犠牲を理解する

「イエスの犠牲って難解だね」

  「うん、理解がまだまだ」

「罪を取り除くとか」

  「苦心の解説が多い」

「なぜ説明に苦労するの?」

  「『鬼神』を想定してない」

「なるほど」


・・・

「神に化けた鬼」を想定していないと、僧職者も苦労するだろう。


元々、「犠牲」は「鬼神」からの要求だった。


それは、カインとアベルの当時から始まっている。


当初、鬼神の要求は「動物の犠牲」だった。


ところが、カインがアベルを殺した結果、ほころびが生じ、「人の犠牲」を求める形にまで進展してしまう。


エデンから、イブの選択で人類支配の権利を得ていた鬼神だが、自分から人身御供まで要求出来ない。


しかし、人類が「肉」を欲するように、鬼は最終的に人の犠牲が欲しいのである。


それは、アブラハムに「一人息子のイサクを捧げよ」と要求を出したところから見えている。


その大義名分は「罪人処刑」であり、「戦争」である。


人類が気付かない形で人の犠牲を得るためには、理由付けして血を流すのが一番の近道なのだ。


当初、鬼神である赤い龍は、エサウを通して自分の選民を構築し、戦争での血を流そうとしたようだ。


しかし、ヤコブがその地位を奪い、抜け目のない選民が生じてしまう。


もし、エサウが選民として選ばれていたら、人の良いエサウだから貧乏くじに気付かなかっただろう。


【binbo】ビンボウ

魅力的だが頭の悪い女


「女」→ 「選民」(神が夫)


ところが、ヤコブが長子の権を得てしまったので、彼が「イスラエル」の地位に座ってしまう。


結構やり手の、敏感肌である。


取り敢えず、ヤコブの子孫を通して、鬼神は人の血を流すことにした。


エサウより頭が切れるので、正体を見破られないよう神経を使わねばならない。


実際、ダビデ王などは、鬼神の正体を見破っている。

(人口調査に関連して)


バレないように・・・

しかし、大義名分を隠れ蓑にしながら選民の敵を次々と「聖絶」させた。


大義名分とは、ヤコブの約束した「十分の一の供え物」である。


そこには、「家畜の十分の一」という思いが込められていたのだが、実は「人類の十分の一」という恐ろしい拡大解釈が可能となっていた。




 ■後の神が介入する


モーセは「子牛崇拝」を理由に、選民を殲滅しようとする気の荒い神に背中を押され、大量の背教者を粛清する形になった。


これも、ヤコブの「十分の一」という誓いの拡大解釈であり、「律法に沿って合法」とされたのだ。


以後、鬼はヤコブの「煮豆」のトリックにいつまでも拘り、「お前たち選民は罪人だろう」というガチガチの態度で責めて来る。


しかしヤコブの子孫は、「たとえ煮豆であっても権利は買い取ったのだ」と教えるために、鬼の目に豆をぶつけているのである。


それでも鬼は、「十分の一」の誓いを押し出して「犠牲を出せ」としつこく迫るのだった。


アダムの子孫をノアの大洪水でほぼ全滅させたほどだから、同等の命で人類を取り戻すしか無い。


そのための犠牲(最後の人身御供)として、イエスが犠牲になったのである。


実は、ホレブの二度目の神(後の神)は、人間として生まれる前の「イエス」と解釈出来るのだ。


モーセはその神に、言い知れない親しみを感じてしまうのである。


(山を降りて来たモーセの顔は、『太陽』の光を反射した『月』のように光を発していた)


この時から、選民は岩ノ上に立場を変える事が出来たのである。



理解はこれで合っていると思う。


※ ここで、鬼がまた雨を降らせて邪魔を始めた。


それじゃ、このあたりで。


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