第478話 「光」で鬼を縛れるか?

「聖書の解明は疲れるね」

  「けど、実績が残るよ」

「どんな?」

  「理解という光」

「なるほど、闇を消せる」

  「そう、鬼は『神の座』から落ちる」

「なら、どんどんやるべ!」


・・・

旧約聖書は、「神に化けた鬼」の独壇場になっていた。


人々は、知らずに「鬼神」を拝んで喜ばせていたのだ。


当然鬼は、「敵役」も配備している。


身内で『正義の戦い』を演じ、「正しく生きろ」と告げるなら、人類は簡単に騙される。


まさか「鬼神」が正義を演じている…とは思わないからだ。




 ■もっともな疑問


聖書を「子供の目」で観ると、鬼による偽善が簡単に露呈してしまう。


「急に攻め込んで皆殺し…」

「変だよね」


初期のイスラエルは、こうして多くの諸国民を「掃除」している。


「相手が悪い」という論理を通すのだが、鬼神の自作自演に目が向いていない。


鬼がまず


→ 悪事の衝動を流し込む


それが満ちると


→ 大掃除


人の頭は、鬼が操縦できる仕組みになっているから、悪事への誘導も簡単だ。


拒否も可能だが、そのためには鬼からのハンドリング(思考・衝動の流し込み)にいち早く気付かねばならない。


「あれ?」

「奇妙な考えが浮かんだ」

「操舵室に鬼が侵入したか?」


聖書は、「ユダ・イスカリオテ」に、「サタンが入った」と教えている。


周囲の弟子たちでさえ、まるで気付かない状況だった。


「裏切りのユダ」当人でさえ、自分自身の心がハッキングされている…とは気付けないのだ。


静かに、密かに、心が乗っ取られてしまった現代人も多いだろう。


この認識も、「光の知識」であり、鬼にとって「光を持つ心」の操縦は難しい。



宗教群・国家群も、闇の中であれば楽に操縦できる。


彼らは疑いを忘れ、油断の中に暮らしている。


もし、頂上人が「雲」を見分けたらどうだろう?


「妙な雲だ」

「暗くて陰鬱を感じる」

「戦争への誘導じゃないか?」



こうした気付きがあると、その瞬間、鬼はハンドルから手を離す。


「畜生!」

…と言いながら。


しかし、ブレーキを踏んでいる場合は、「金縛り」が起きる。


「今、行動すべきなのに」

「なぜ体が動かないのか?」

「声も出せない!」


彼が、病人の横に付き添う人の場合、致命的である。


救急車を呼ぶべきなのに、

なんで動けない?


この時、知識を持っていたら、その人は言うだろう。


「鬼め!」

「ブレーキから足を離せ!」

「井の神への反逆か!」




 ■上層部の事情


国家を戦争に巻き込めば、鬼は待望の「生贄」を大量に得る事が出来る。


だから「雲の上の人」には、四六時中、鬼のちょっかいが仕掛けられている。


国家底辺の庶民を泣かせ、自殺に追い込み、娘を売り飛ばす苦痛の決断をさせるのも鬼。


病魔や過労死に追い込むのも、鬼。


国家運営を任された上層部の操舵室には、鬼の行列が出来ている。


彼らは、「鬼まみれの状況」を認識すべきである。




 ■光を得て鬼を照らすべし


「『鬼まみれ』だと?」


これを知られて困るのは鬼。

そこで、いつもの手段。


「わっはっは!」

「そんなの、いるもんか」


笑いで鬼が逃げる?


いやむしろ、喜びに満ちて手を突っ込んで来るだろう。



「敏な人」なら聞く。


我らは「鬼神」を拝んでいたのか?


「本当か!」


この一瞬で、頭の中が光に満たされる。


「聖書の神」を再確認。

・・・


「これも鬼!」

「これも鬼!」


・・・

「光を持つ人」にはこうした態度があり、一般が誤解している温和な人々じゃない。


「みんなで許し合いましょう」

「世界は神の愛に満ちてます」



勘違いの「善良さ」が世界を満たしてしまうと、地下は荒れ放題。


弱者の生贄が、底に積もってしまうだろう。



光の人なら、こう言う。


「よくも、今まで騙したな」

「鬼神め!」


・・・

これこそが、

鬼を縛る認識であり、

「光」の卓見なのである。


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