第432話 遊女と呼ばれた日本でも
「時間が惜しい」
「どうして?」
「理由は無いけど」
「何らかの波動伝達かな」
「何かが迫ってる?」
「特殊な日本だからね」
「どういう意味?」
・・・
神の国は、鬼からの汚染でドロドロ状態だ。
「遊女みたいな」?
確かに、綺麗な国じゃない。
家の庭に偶像が満ちている。
■ラハブと同じ境遇
聖書には「ラハブの例」がある。
遊女ラハブに、救いがあっただろうか?
以前の記事に加え、話を掘り下げよう。(時期が迫っている)
■甘さと苦さの巻物
黙示録には、時間切れ間近な都に関して、こんな記述がある。
黙示録10章 (もう時が無い)
1 わたしは、もうひとりの強い御使が、雲に包まれて、天から降りて来るのを見た。その頭に、にじをいただき、その顔は太陽のようで、その足は火の柱のようであった。
2 彼は、開かれた小さな巻物を手に持っていた。そして、右足を海の上に、左足を地の上に踏みおろして、
3 ししがほえるように大声で叫んだ。彼が叫ぶと、七つの雷がおのおのその声を発した。
この声は記録に残されない。
4 七つの雷が声を発した時、わたしはそれを書きとめようとした。すると、天から声があって、「七つの雷の語ったことを封印せよ。それを書きとめるな」と言うのを聞いた。
(「海」と「地」は全世界)
5 それから、海と地の上に立っているのをわたしが見たあの御使は、天にむけて右手を上げ、
6 天とその中にあるもの、地とその中にあるもの、海とその中にあるものを造り、世々限りなく生きておられるかたをさして誓った、「もう時がない。…
「時がない」という言葉から、それが「終わりの日」の瀬戸際を示していると理解出来る。
※「七つの雷」は封印され、社会に認識されない。
(ネットの裏情報だろうか)
(奥義の成就)
7 第七の御使が吹き鳴らすラッパの音がする時には、神がその僕、預言者たちにお告げになったとおり、神の奥義は成就される」。
8 すると、前に天から聞えてきた声が、またわたしに語って言った、「さあ行って、海と地との上に立っている御使の手に開かれている巻物を、受け取りなさい」。
9 そこで、わたしはその御使のもとに行って、「その小さな巻物を下さい」と言った。すると、彼は言った、「取って、それを食べてしまいなさい。あなたの腹には苦いが、口には蜜のように甘い」。
10 わたしは御使の手からその小さな巻物を受け取って食べてしまった。すると、わたしの口には蜜のように甘かったが、それを食べたら、腹が苦くなった。
11 その時、「あなたは、もう一度、多くの民族、国民、国語、王たちについて、預言せねばならない」と言う声がした。
※ 口当たりが甘く、腹に苦い巻物の内容は…「一部の人に救い」となるが「同胞(はらから)を痛めつける可能性」が秘められている。
・・・ラハブの時に似ている。
ヨシュア記2章(斥候を匿う女)
1 ヌンの子ヨシュアは、シッテムから、ひそかにふたりの斥候をつかわして彼らに言った、「行って、その地、特にエリコを探りなさい」。彼らは行って、名をラハブという遊女の家にはいり、そこに泊まったが、
2 エリコの王に、「イスラエルの人々のうちの数名の者が今夜この地を探るために、はいってきました」と言う者があったので、
3 エリコの王は人をやってラハブに言った、「あなたの所にきて、あなたの家にはいった人々をここへ出しなさい。彼らはこの国のすべてを探るためにきたのです」。
4 しかし、女はすでにそのふたりの人を入れて彼らを隠していた。そして彼女は言った、「確かにその人々はわたしの所にきました。しかし、わたしはその人々がどこからきたのか知りませんでしたが、
5 たそがれ時、門の閉じるころに、その人々は出て行きました。どこへ行ったのかわたしは知りません。急いであとを追いなさい。追いつけるでしょう」。
ラハブは、社会の中で虐げられた女であったから、この動きが出来たのだ。
彼女は、斥候の存在を同胞に知らせなかった。
※ 鬼神に支配される社会の中で、苦痛を味わいながら暮らすラハブのような人は多いだろう。天軍到来は彼らの救いだが、同胞(はらから)には甘いものではない。
(天軍の気配を隠すラハブ)
6 その実、彼女はすでに彼らを連れて屋根にのぼり、屋上に並べてあった亜麻の茎の中に彼らを隠していたのである。
7 そこでその人々は彼らのあとを追ってヨルダンの道を進み、渡し場へ向かった。あとを追う者が出て行くとすぐ門は閉ざされた。
ラハブは「選民」(神の軍)が襲来する兆候を知っていた。
その微妙な時期に、鍵を握っていた女性である。
斥候を匿(かくま)ったラハブは、鬼が支配するこの世界で、天からの救いを待つ下層民に重なっている。
※ 広い目で読めば、ドロドロの敗戦国(日本)もラハブである。
エリコが、「鬼支配の地上」であれば、それは神の占領予定地である。
ラハブは、大規模な神の進軍を知りつつ「裏情報」に期待を寄せて待つ人のような存在である。
斥候がもたらす情報は、神の軍が動くため、重要な指針となる。
彼女が鬼社会で贅沢に暮らしていたなら、自分の生活を守ろうとした可能性もある。
しかし、遊女という最低の境遇に甘んじるラハブには未練など無かった。
鬼社会は今更、虐げてきたラハブに何をしてやれるというのだろう。
現代社会の貧困層は、天界からの救いを待ちわびる毎日だ。
生きる力は、「救いが近い」という期待だけで保たれている。
(鬼の戦々恐々)
8 ふたりの人がまだ寝ないうち、ラハブは屋上にのぼって彼らの所にきた。
9 そして彼らに言った、「主がこの地をあなたがたに賜わったこと、わたしたちがあなたがたをひじょうに恐れていること、そしてこの地の民がみなあなたがたの前に震えおののいていることをわたしは知っています。
10 あなたがたがエジプトから出てこられた時、主があなたがたの前で紅海の水を干されたこと、およびあなたがたが、ヨルダンの向こう側にいたアモリびとのふたりの王シホンとオグにされたこと、すなわちふたりを、全滅されたことを、わたしたちは聞いたからです。
11 わたしたちはそれを聞くと、心は消え、あなたがたのゆえに人々は全く勇気を失ってしまいました。あなたがたの神、主は上の天にも、下の地にも、神でいらせられるからです。
聖書の二重構造を、どのように解釈すべきだろう?
世の神は、人間界の全てを支配しようとして来たが、天界はそれの裏をかくつもりである。
(読み抜くのは難しい)
選民の軍を裏切らないラハブに、神の軍の斥候も応じた。
(ラハブの願い)
12 それで、どうか、わたしがあなたがたを親切に扱ったように、あなたがたも、わたしの父の家を親切に扱われることをいま主をさして誓い、確かなしるしをください。
13 そしてわたしの父母、兄弟、姉妹およびすべて彼らに属するものを生きながらえさせ、わたしたちの命を救って、死を免れさせてください」。
14 ふたりの人は彼女に言った、「もしあなたがたが、われわれのこのことを他に漏らさないならば、われわれは命にかけて、あなたがたを救います。また主がわれわれにこの地を賜わる時、あなたがたを親切に扱い、真実をつくしましょう」。
信頼の相手に信頼で応えるヨシュアの軍の斥候たち。
彼らはこの先、「鬼の懐」にいる人々を救わねばならない。
(ラハブの進言も熱がこもる)
15 そこでラハブは綱をもって彼らを窓からつりおろした。その家が町の城壁の上に建っていて、彼女はその城壁の上に住んでいたからである。
16 ラハブは彼らに言った、「追手に会わないように、あなたがたは山へ行って、三日の間そこに身を隠し、追手の帰って行くのを待って、それから去って行きなさい」。
17 ふたりの人は彼女に言った、「あなたがわれわれに誓わせたこの誓いについて、われわれは罪を犯しません。
18 われわれがこの地に討ち入る時、わたしたちをつりおろした窓に、この赤い糸のひもを結びつけ、またあなたの父母、兄弟、およびあなたの父の家族をみなあなたの家に集めなさい。
19 ひとりでも家の戸口から外へ出て、血を流されることがあれば、その責めはその人自身のこうべに帰すでしょう。われわれに罪はありません。しかしあなたの家の中にいる人に手をかけて血を流すことがあれば、その責めはわれわれのこうべに帰すでしょう。
赤い神の誓いは信頼に値しないが、この「赤い紐」の誓いは天の誓いだから、
→ 信頼できる
この紐は日本にもあった。
【赤い紐】
大嘗祭 (だいじょうさい) などの神事のとき、小忌衣 (おみごろも) の右肩につけて前後に垂れ下げた赤色のひも。古くは赤1色、のちには蝶や鳥を描いた赤色と黒色のひも。
遊女ラハブとその一族は、この紐で救われた。
ならば我々も、神との契約をしっかり守るべきではないだろうか。
遊女として蔑まれる日本であっても、
「赤い紐」を忘れていなかったのだから。
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