第410話 病を癒す不思議なマシン

「夢の解明をお願い!」

  「え?また見たの?」

「そう」

  「とりあえず内容は?」

「こんな感じ」


・・・

奇妙な工場に出向いた記者がいた。

取材相手を探していた。


この会社が販売しているマシンがないと、病院での治療が難航する。


他社もそれを知っていて、何とか真似をしようと努力していた。


マシンを手に入れて分解し、内部構造の調査は当然やっている。

何台も分解して見るが、どうしても解明出来ない。


そんな中、内部のICチップから、あらゆる病名の羅列が読み取れた。


しかし、先には進まない。

肝心の治療テクが不明。


そこで、ある記者が頼まれたのだ。


「手掛かりだけでも頼む」


産業スパイに近い取材だし、聞き出すのは至難の業。


彼は、真意に気付かれないよう注意しながら、工場関係者に取材を敢行した。


  「何も話せません」


そんな日々が続いた。




 ■遂に本人と面会


ある日、彼は初老の男性と話していた。


何と、開発した本人であった。


彼は告げた。


「秘密なんかありませんよ」

  「えっ?」

「あるとしたら、信仰ですね」

  「信仰とは?」

「チップにはただ、私の意志が焼き込んであるだけです」

  「どんな形でしょう?」

「病名とその最後に…」

  「最後に?」


こんな事まで教えてくれて、いいのだろうか?


記者は背景が理解できず、背筋に冷たいものが走った。


彼は続けた。


「チップは、石に焼いた契約です」

  「契約?」



これだけの病気を治せますように・・・という願いの言葉が最後に書いてある・・・そう教えてくれた。


それ以上の話は聞けなかった。

そして、夢からも覚めてしまった。




 ■ICチップが石であるなら


日本には、「恩は石に刻め」という諺がある。


診断士の話

https://shain-keiei.biz/kaketa-nasake-uketa-on/


技術者が信仰の人なら、チップの設計にも願いを刻むだろうか?


夢の中の博士は、それを実行していたのかも知れない。



未知の技術を通して、病を癒す不思議なマシンは実在している。


登場を心待ちにしている人も多いだろう。


しかし、この夢の理由は今も不明のままである。


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