第339話 「天空の鬼」に意識を向ける

「鬼に豆をまくでしょ?」

  「うん」

「あちこちに行って」

  「そう」

「何となく意味が解った」

  「おっ!それは?」

「あちこちに意識を向ける」


・・・

人が意識を向けなければ、

鬼はそこに隠れる事が出来る。


だから豆撒きは、丁寧にやるのだ。


しかし一箇所抜けている場所があった。


それは


→ 天空




 ■鬼瓦が教える「天空の鬼」


人は普段、空を見ない。

いつも周囲と下を向いて暮らしている。


しかし、鬼瓦がこのように教えていた。


→ 天空の鬼に意識を向けなさい


これが人々に理解されると、鬼が困る事になる。


だから鬼は「鬼瓦」の意味について、様々な撹乱を流布しているようだ。


1.鬼の権威で家を護る。

2.転じて鬼と友達になる。

3.飾りである。

4.その他。


睨みを利かすという表現があるように、確かにリアルな鬼瓦は威圧感がある。


その姿も時代とともに変化しており存在意義は霞んでいるかに思える。


鬼瓦詳細のサイト

https://journal.thebecos.com/onigawaranogimon/


屋根専門

https://www.yaneyasan14.net/blog/40362.html


ベトナムの「カウクット」

https://m.vovworld.vn/ja-JP/%E3%83%98%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%A0%E6%B0%91%E6%97%8F/%E9%BB%92%E3%82%BF%E3%82%A4%E6%97%8F%E3%81%AE%E5%AE%B6%E3%81%AE%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9B%E3%83%ABkhau-cut%E3%81%A8%E3%81%AF-838576.vov


ベトナムの黒タイ族には「カウクット」という屋根のシンボルがあり、それは正に出雲文化の「千木」である。


(彼らは神道系?)


それとは別に、仏教と共に流れ込んだアジア文化の影響も考慮する必要があるだろう。




 ■空中は神々の戦いの場


聖書によれば、神々は「鳥」で象徴され、空中で戦いを交わしている。


「屋根」はそうした「神々への意思表示」の場所である。



【千木・知木・鎮木】ちぎ

社殿の屋上、破風(はふ)の先端が伸びて交差した日本の木。後世、破風と千木とは切り離され、棟上に取り付けられた一種の装飾(置千木)となる。

氷木(ひぎ)。



「千木」には「契」(ちぎり)の意味があり、「この家は誰に属するか」を『鳥』に示す役割を果たして来たと考える。

(私見)


我々は意識を、天空に向ける事は稀である。


しかし、「鬼が中空を飛ぶ」という理解を先人が持っており、子孫への伝言が屋根の装飾に残されているのだろう。


それに留意し、我々も「天空の鬼」に意識を向けるようにしたい。


そこは「豆撒きの盲点」だからである。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る