第337話 価値観の間違いを正す

「価値観って誰が決めるの」  

  「どの価値観?」

「労働対価とか」

  「自分でしょ」

「あれ?」


・・・

人から言われて受け入れる、

それが賃金だと思っていた。


それで、「これくらいないと生きられないからな」・・・と計算して職を選び、労働時間を決める場合もある。



ところが、福音書に奇妙な話がある。




マタイ20 章 (ぶどう園労働)

1 天国は、ある家の主人が、自分のぶどう園に労働者を雇うために、夜が明けると同時に、出かけて行くようなものである。

2 彼は労働者たちと、一日一デナリの約束をして、彼らをぶどう園に送った。

3 それから九時ごろに出て行って、他の人々が市場で何もせずに立っているのを見た。

4 そして、その人たちに言った、『あなたがたも、ぶどう園に行きなさい。相当な賃銀を払うから』。

5 そこで、彼らは出かけて行った。主人はまた、十二時ごろと三時ごろとに出て行って、同じようにした。

6 五時ごろまた出て行くと、まだ立っている人々を見たので、彼らに言った、『なぜ、何もしないで、一日中ここに立っていたのか』。

7 彼らが『だれもわたしたちを雇ってくれませんから』と答えたので、その人々に言った、『あなたがたも、ぶどう園に行きなさい』。

8 さて、夕方になって、ぶどう園の主人は管理人に言った、『労働者たちを呼びなさい。そして、最後にきた人々からはじめて順々に最初にきた人々にわたるように、賃銀を払ってやりなさい』。

9 そこで、五時ごろに雇われた人々がきて、それぞれ一デナリずつもらった。

10 ところが、最初の人々がきて、もっと多くもらえるだろうと思っていたのに、彼らも一デナリずつもらっただけであった。

11 もらったとき、家の主人にむかって不平をもらして

12 言った、『この最後の者たちは一時間しか働かなかったのに、あなたは一日じゅう、労苦と暑さを辛抱したわたしたちと同じ扱いをなさいました』。

13 そこで彼はそのひとりに答えて言った、『友よ、わたしはあなたに対して不正をしてはいない。あなたはわたしと一デナリの約束をしたではないか。

14 自分の賃銀をもらって行きなさい。わたしは、この最後の者にもあなたと同様に払ってやりたいのだ。

15 自分の物を自分がしたいようにするのは、当りまえではないか。それともわたしが気前よくしているので、ねたましく思うのか』。

16 このように、あとの者は先になり、先の者はあとになるであろう」。



意味を汲む段階で、色々な意見がある。


私自身も、はっきりしなかった。


しかし今、こう考えるようになった。


→ 労働価値は時間で決まらない


ほんの少し働いて、長時間の労働と同じ賃金を貰える。


但し相手はぶどう園の主であるイエス。


イエスの側に立つ人は、思わぬ事態が起きるのだ。

(良い方向に)


気前の良い御子が教えてくれたのは、労働時間で賃金を決めない精神。


言い換えれば、神の王国の報酬は世の神の法則と無関係であって、全ての人が生きる対価を受けるのである。


逆に、冷たい神の支配下にある人々は、長期間働けば多くもらえるという固定観念に支配されている。


「少ししか働けないし、能力も無いから微々たる報酬だろう」という思考回路を持つ人は・・・


→ もっと自由になりなさい


そうした教えだと思う。


ぶどう園の主人の基準は、創造主の基準であり、世の固定観念とは違うのだ。


これに似ている。


→ ベーシックインカム


この時期、「働かざる者食うべからず」という「世の神の基準」に押し込まれてはならないと思う。


誰もが平等に、生きるに充分の手当・報酬を受ける価値があると知れば、気前の良い神の世界が待ち遠しくなる。


自分を低い価値に留める必要など無い・・・

私はそう考えるようになった。


価値観の間違いが正された。


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