第327話 神に望むべくもない

「あー、絶望だー」

  「どうした?」

「祈りの答えが来ない」

  「鬼の遮断だろうな」

「えっ!鬼が邪魔できるの?」

  「だからイエスも苦労した」

「うわー」


・・・

世の神は、自分の子飼いに甘い。


「言う通りに動け」

「そしたら祝福しよう」

  「はい」


その神の要求は・・・


「供え物をよこせ」

  「はい」


やがて、首を傾げる要求も。


「あなたの息子を生贄に」

  「えっ!」


それは、アブラハムの経験した話であった。


闇に紛れて自由自在だから、夜の神は何だって仕掛けて来る。


→ 恵みの遮断

→ 叩き落とし

→ 困窮迷路への誘導


人が受け取った神の祝福を、手から「叩き落とす」のは勿論、恵みの土地を「不毛地帯」に変えてしまう。


「山の木を売って儲けろ」

「石油からの肥料を与える」


すると・・・


山は剥げて戻らず、化学肥料で大地は不毛地帯に変じてしまう。


成るべくしてこうなった・・・

起こるべくして起こった・・・


それが鬼神の指導結果だ。



少し横道だが、「ベク」という語を調べてみた。



【可く】べく

ベシの連用形。

「約束を果たすべく出発」



参考

https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/entry.html?entryid=321



ヘブライ語解析では、「ベク」「ベシ」は「ベケシ」が訛ったと記憶していたが解説された記録が見当たらない。

(記憶違い?)


しかし、スペイン語「veces」(ベセス)から共通点らしきものが見つかった。


Yo diria que minimo mil veces.

※ 多分私は千回このスライドショーを開催しました。


veces(ベセス)→ 回数


「ベセス」が、日本では

「ベケス」に近い発音だと考える・・・


訛による派出を考慮すれ、ばこんな表現も浮かんで来る。


「もう50回バカシ見てるよ」



【可】ばかし

バカリの訛。砕けた会話の語。

口語ではバッカシとも言う。



※ 回数・繰り返しの意味だ。



まず、

回数(繰り返す)の「veces」を「ベケス」と発音したら、

「ベケシ」に繋がる。


→ ベケシ(繰り返す事)

 ※ 「状態化」の意


更に、

「VB変換」で「バ」に派生すると・・・


バカシ(回数)


更に変じて、「バカリ」と使われている。


「彼、テレビばかり見てる」


この「ばかり」も「回数」(繰り返し)を意味していたわけだ。




 ■訛りの連想


想定も混じるが、「VEC」の訛りを連想してみた。


→ ベカ・ベケ・ベキ


「ベキ」には方向性が加わっており、「こうするベキでしょ?」と使われている。


ちなみに、横ブレの方向がゼロであるなら


→ 潔癖(ケッペキ)

(ペキはベキの派生とする説)


ギリシャ語に繋がっている英語解析でも、「ベキ」からの派生と思われる「ベク」がある。


→ 「ベクトル」



【vector】ベクトル

1.動径、方向量

2.媒介者

3.運搬因子

4.方向、進路



勿論、コイネーの流れを保存する日本も

「成る可く○○の形にお願いします」

・・・と使っている。


その方向に持って行って下さい

・・・の意味だ。




 ■「ベク」を捻じ曲げる鬼


鬼は、人の常なる楽しみや好みを捻じ曲げるから、思い通りの方向に進まない。


何か自然じゃない風が吹くような感じで、ジリジリと方向がズレてしまう。


英語の「vector」(ベクター)は媒介者。それで、天の神からの祝福に欠かせない天使にも当て嵌まるが、鬼神はそれを遮断する。


冒頭の

「祝福が来ない」とか、

「神に望むべくもない」と嘆く人は、「媒介天使」を遮断されている可能性がある。


まるでヨブのように、義人が苦痛の中に放置されているのだ。


これを打破する方法は、鬼を憎んで排除するしかないのだが、現実にちょっかいゼロは難しい。


そこで、天の神は方向性を消し、どこからどんな形で来るかを伏せた状態で彼を応援する。


見張っている鬼が察知できないように・・・


だから望んでいても、その絵の通りにはならないのだ。


これは、未来構築(線路工事)とは違って、「手渡し」の話だからである。


雑念を流し込んで「線路工事」を邪魔する鬼だが、日常受け取る祝福(ベクの恵み)は、鬼が「遮断しよう」「叩き落とそう」と待ち構えている。


それを回避して来ると信じて祝福を待とう。


鬼は、義人が

「神に望むべくもない」と諦めるのを待っているのだから。


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