第318話 鬼の義人攻撃

「なんか調子悪くて」

  「どう?」

「気分が滅入るし、体調も…」

  「悪いの?」

「うん」

  「相談した?」

「周囲に話しても駄目」

  「反応は?」

「軽く受け流すだけ」

  「それ、鬼かも」

「えっ?」


・・・

御子の路線を歩き、義人であろうと努力する人は、

集中攻撃を受ける。


それは、ヨブの境遇・・・

また、イエスへの攻撃から読める。


ヨブが訴える苦痛を、妻や仲間は軽視したし、イエスは故郷で、こんな扱いをされた。


「あれはあの家の息子ではないか」

  「あーあいつか」


→ 蔑ろ



【蔑ろ】ないがしろ

無きがシロ(代)の音便。

無いも同然の意。

1.他人や事物をあっても無いかのように侮り、軽んずるさま。

2.しどけないさま。無造作なさま。



もし老人なら、見た目の貧相な姿を見て鼻摘みにする。



【鼻摘み】はなつまみ

(臭いものに鼻を摘んで避けるから言う)

大変人に嫌がられる事。

そのような者。



狙われた義人は、鬼を介したそんな攻撃に耐えなければならない。




 ■借金地獄攻撃


今、多いのはこれだ。


まず詐欺師を送り込んで、借金を作らせ、


→ ブラックリスト入り


その後、裁判を仕掛けて打ち倒そうとする。


鬼は、公共の権威もフルに活用出来るから対処の力が無い老人はカモである。



気力、迫力を失っている老人は、そんな攻撃に弱い。


たちまち心労の迷路。


「どうたらいいのか」

「解らない」


それが続けば、彼の寿命も縮んでしまうだろう。




 ■毒入り食品攻撃


昔あった事件を思い出す。


毒(ヒ素)入りミルクなどで多数の死者が出た。


白雪姫の毒りんごや四谷怪談のお岩に対するような直接攻撃は現在もある。


しかし今なら、更に巧妙な「毒入り攻撃」が使えると鬼は知っている。


すぐに死なないが、内蔵をやられるほどの微量毒。


多数の食品に紛れて店に並んでいるのだが、鬼はそれを特定できるから、狙った当人に掴ませるよう持って行く。


「ついでだ」

「これも買っておこう」


巧妙な「ジワ毒攻撃」とでも呼ぶべきか。


私も随分経験した。


いつ、どのように操縦され、攻撃を受けているかを闇に隠している鬼だから、


我々は一つ一つの事象・仕掛けを認識するのは難しい。


しかし、人の意思は「石」としての打撃力を持っているから、路線を明るい方向に向け、事態を好転させてくれるだろう。


それで私は常に、この一言を投げている。


「鬼の攻撃は全て裏目に出る」

(全て我に良し)


過去を吟味し、心当たりのある人は、普段から身構え、

こうした「鬼の義人攻撃」に敏感さをもって備えよう。


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