第266話 日本屋敷の解明
「なんかポチャボチャ聞こえる」
「アチャー!雨漏り!」
「外は小雨だ」
「助かった」
・・・
雨が降るたび、憂慮がある。
連動して、考察が始まる。
「なぜこんな状況に?」
簡単に言うと、新旧の家屋は、「M」の形で繋がっている。
つまり、真中部分に屋敷を縦断する樋(とい)があり、そこから雨水が漏っているのだ。
【樋】とい(トヒ)
屋根を流れる雨水を受けて地上に流す溝状・筒状の装置。
それがなぜか中弛みしており、そこに雨水が溜まる。
また、二箇所ほど穴も空いているから当初は見えない形で漏れ始め、やがて横木や柱、床まで腐らせたのだろう。
ここでふと思った。
「樋」は「問」に繋がる。
【問】とい(トヒ)
1.尋ねる、聞きただす。
2.問題。
日本の国家で想定すれば、
新旧の政権が繋がって「国譲り」を行う時、「漏らし」が生じたと思われる。
■伝達「不完全」
「旧座」(きゅうざ)という出雲の責任者がいた。
彼に、大和の重鎮である「新右衛門」(しんざえもん)が問う。
「メシアはどんな方だった?」
「誠実なお方だ」
「食事は魚ばかりか?」
「そうだ」
「お名前は?」
「それは・・・」
・・・
こうした問答で「理解」を伝えたのだが、「呼び名」など多くの資料が失われ、また混乱している。
福音書のような、明快な資料も無い。
後を追って来た「竜」の撹乱や「蛇が吐いた水」によってこうなってしまったのだ。
大和の勢力には「恐れ」があった。
「ローマの攻撃で国が消えた」
「敵は我々を探している」
ローマ市民の娯楽といえば、
→ 殺し合い
「コロシアム」では、剣闘士の「殺し合い」が見世物にされていた。
やがて、国内のキリシタンへの迫害が始まり、「コロシアム」に連行して「見せしめの殺害」が日常化する。
その噂を聞いて、ユダヤから脱出したイエスの弟子たちは震え上がった。
「我々こそ目標だ」
ローマの勢力には二種類ある。
1.理解者のローマ人
2.迫害するローマ人
「ポンテオ・ピラト」のようにイエスに同情的だった勢力は、弟子たちを守ってくれていた。
しかし、その転機がパウロの宣教後にやって来た。
パウロの巧みな活動により、多くのローマ市民が信者になった。
しかしそれを、ローマの為政者が許すだろうか?
支配者の立場で考えてみよう。
ローマには歴史的な神々が定着している。
ユダヤからの宣教は、それを排撃するような教えであり、許可なく神々を押し倒す行為である。
これはまるで、国家の乗っ取りなのだ。
イエスは当初、こう告げていた。
→ 「異邦人の道に行くな」
それが、相手国の支配者を刺激し、民に反射が返って来るからだ。
→ 迫害として
ユダヤはメシアを待つ国家だから熟慮されるが、ローマはそうした状況ではない。
※ パウロにその行動を促したイエス(二枚目)は、ユダヤの味方ではなかったのだ。
→ 我々の畑に蒔け
これは、「ユダヤが憎まれても構わない」という態度である。
そして確かに・・・そうなった。
→ ユダヤの立場は最悪となる
ここからも、「二枚目」が世の神に属している事が理解出来るだろう。
■ローマの追手が怖い
当時、世界を制覇していたローマなので、情報収集も半端ではない。
イエスの弟子がどの方面に逃げて国家を成立させたのか?
これを知れば、彼らは世界の果てまで追い掛けて来るだろう。
二枚目に従うパウロが、このきっかけを作ってしまった以上、イエスに関係した集団は正体を知られてはならない立場に追い込まれた。
ローマがキリスト教を国教として採用した理由は、時の経過により、その教えがすっかり二枚目の色に染まったからである。
平和主義のイエスの教えが、完全に覆されている。
いずれにしても、日本の家では「追手への恐れ」が作用し、新旧の継ぎ目で「漏れ」が生じたという形だ。
国家の歴史を、隠しながら伝達しなければならない・・・
※ その意味では、「福音書」を得ている現代の我々の方が恵まれているだろう。
日本の神道は、多くの符丁で神の正体を覆い隠している。
(形容詞で正体を隠す)
そして、こうなった。
樋が水を漏らす・・・
→ 問が水を漏らす
内容が水臭く、伝達に「漏らし」がある。
日本は結局、神の完全な名を逸してしまった。
こうして「日本屋敷の解明」は、
正常化の模索が続いている。
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