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 帰ってすぐわたしは帰宅の挨拶もそこそこに、学習机の引き出しの中を探した。

 記憶にあった指輪、まだ取っておいてあるかな?と思ったのだ。それは思ったより早く見つけられた。当時のこまごまとした宝物は全部まとめて、親戚の叔母さんが譲ってくれたジュエリーケースに入れていたのだ。

 小学生のわたし、グッジョブ。

 記憶と同じ、きらきらの赤い宝石の指輪がそこにあった。引き出しに入れっぱなしだったから、さすがに指輪の金属はくすんでしまってたけど。

 スマホを取り出し写真を撮る。そしてメッセージアプリを開いて文字を打ち込む。

『お祭りの時に交換した指輪ちゃんとあったよ』

 それと一緒に今しがた撮った写真も送った。数分経って既読が付いて、

『あたしも』と写真が送られてくる。それも想い出したばかりのピンク色の石の指輪。

 思わず顔がにやけてしまう。

『明後日鵲橋神社の夏祭りだから一緒に行かない?』

 すぐに返事が返ってくる。

『賛成

 指輪も忘れずにね』

 お祭りには、指輪をぴかぴかにして持っていこう。

 また一つ、夏の想い出ができそうな予感にわたしはわくわくしていた。

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