第71話 二人でまったり

 俺たちは今、おしゃれなカフェへと来ていた。


「これ、どうするのが正解なんだ?」


 俺は、紗良に渡されたプリクラをぴらぴらさせながら言った。


「そうですね。私はこうやって手帳に挟んでますけど、財布に入れてる人とかもいますんね」


 紗良は、いつも使っている女の子らしい可愛い手帳を俺の方に向けた。

そこには、さっき撮った俺たちのプリクラが挟まれていた。


「なるほどな。じゃあ、俺はとりあえず、財布に入れとくよ」

「はい!!」


 そう言うと、俺はポケットから財布を取り出すと、その中に仕舞った。


「それと、さっきのプリスマホに入れますか?」

「ああ、そうだな」

「じゃあ、ちょっとスマホ貸してもらってもいいですか?」

「おう」


 俺は、ポケットからスマホを取り出すと、ロックを解除して紗良に渡した。


「ちょっと操作しますね」


 そう言うと紗良は、俺スマホを操作し、何やら打ち込んでいく。


「出来ました!!」


 時間にしたら3分ほどだろう。

そう言って、紗良は俺にスマホを返してきた。


「これで、さっきのプリが写真フォルダに入っているはずです」

「ありがとう」


 俺は、スマホを受け取ると、自分の写真フォルダを確認した。


「おぉ、入ってるよ。ありがとう」

「良かったです!」


 そう言うと紗良は微笑んだ。

そして、紗良は自分のスマホにもデータを入れるようで、スマホを触っていた。


「私のスマホにも入りました」

 

 紗良はスマホの画面から視線を上げると言った。


「良かったな」


 そう言うと俺は、ストローで飲み物を啜った。


「それより、兄さんが甘い物を頼むのは珍しいですね」


 紗良が、俺が飲んでいるものに視線を落とし言った。


「ああ、これか?」


 俺は、抹茶クリームフラペチーノをストローで吸っていた。


「はい、てっり兄さんはコーヒーかお茶か水しか飲まないのかと思っていたので」


 確かに、俺は普段からお茶かコーヒーか水しか飲んでいなかった。

別にこだわりがあるわけではないが、のどを潤すならそれで十分だった。


「美味しそうだったし、今日は甘い物の気分だったからな」

「そういう日もあるんですね」


 紗良は、キャラメルがたっぷり入ったフラペチーノの飲んでいた。

それで太らないのだからすごいもんだ。


「うん、たまには甘い物も欲しくなるしね」

「それは間違いないです!!」


 紗良はコクコクと頷いていた。

かわいいなぁ。

人目が無かったら抱きしめていますよ?


「さて、そろそろ帰るか」

「そうですね」


 時刻はもう夕方だった。

俺たちは飲み終わると、カフェを後にした。

そのまま、駅に向かって歩くと、行きとは反対の方向の電車に乗り、帰路に就くのであった。

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