俺は決してシスコンではないはず！〜周りはシスコンと言うが、ただたんに妹が可愛すぎるだけなのだが？〜

第63話 家で映画を

　最寄りのコンビニから歩い数分。

家に戻ってきた。

「とりあえず、部屋着になってくるよ」

「私もです」

　簡単に手を洗うと、それぞれ過ごしやすい服装に戻る。

俺は、Tシャツにジャージだった。

「さてと、」

　紗良が降りてくる前に、買ってきたお菓子をテーブルに並べ、飲み物のグラスを用意していた。

「お待たせしました」

　その時、紗良が上から降りてきた。

紗良は、可愛らしい女の子っぽいTシャツにパーカーを羽織り、ショートパンツ姿だった。

白くて美しい、脚が露わになっているその姿に一瞬、目を奪われた。

その姿を、他の男に見せる日が来るのかと思うと、今からでもその男を成敗したくなる。

これが、シスコンなのだろうか。

「いや、大丈夫だよ。それより、どっちから見る？」

　俺は、借りてきたDVDを紗良に向けた。

「兄さんはどっちが見たいですか？」

「うーん、じゃあ、紗良が借りた方からにしようか」

　俺は、恋愛映画の方を手に取ると、DVDプレイヤーに入れた。

そこから、テレビの方を操作する。

「では、再生します」

「お願いします」

　テレビの対面にあるソファーに並んで腰を下ろすと、紗良が横にピタっとくっついてくる。

なんだ、この可愛いらしい生き物は。

「ほいっと」

　俺は再生ボタンを押した。

紗良はコーラを、俺はアイスコーヒーをグラスに注ぐ。

テレビの画面を眺めながら、ポテトチップスとポップコーンを口に運んでいく。

　紗良が選んだ映画は、約2時間ほどあったが、後半に行くにつれて、引き込まれていく。

中々、面白い。

そして、2時間ほどの映画は終わった。

「面白かったですね！！」

「おう、そうだな」

　テレビの画面にはエンドロールが流れていた。

「ちゃんとハッピーエンドで良かったです」

「確かに、一瞬バットエンド路線に言ったからな」

　しかし、結果的にはハッピーエンドに落ち着いた。

やはり、物語はバットエンドより、ハッピーエンドの方が気持ちいい。

「その時はびっくりしました」

「どうする？　連続で見るか？」

　時刻は、もう夕方だった。

「そうですね。お腹も別に空いてませんし、連続で見ちゃいましょうか」

「おうよ」

　俺は、DVDプレイヤーから、恋愛映画のDVDを取り出すと、次のSFアニメのDVDを入れた。

「再生するね」

　俺は、ソファーに戻ると、再生ボタンを押した。

またも、隣に座る紗良がピタっとくっついてくる。

可愛すぎんかおい。

　映画の内容としては、2つの世界線が交錯し、一つの世界で失った彼女を取り戻すために、もう一つの世界の彼女を別の世界に連れていくといった内容だった。

しかし、これも中々のどんでん返しがあり、面白い。

これも2時間くらいの長さであった。

「うん、これぞSFって感じだったな」

「はい、私、SFってあまり見てこなかったんですけど、面白いんですね」

　そう言って、紗良は微笑んでいた。

「だろ？　結構好きなんだよね」

「たまには、こうして家で映画を見るのもいいですね」

　用意したお菓子と飲み物はほとんど無くなっていた。

そして、もう外は暗くなっていた。

「はぁ、明日からいよいよ学校だな」

「そうでしたね」

　映画を見終わったら、一気に現実に引き戻された二人であった。