第62話 DVDのレンタル
店内には様々なジャンルの映画がある。
恋愛、アニメ、SF、ホラーなど。
「紗良は、やっぱり恋愛映画が好きなの?」
恋愛映画の棚を眺めていた紗良に声をかけた。
「ええ、そうですね。恋愛映画をよく見るかもしれません」
そう言えば、紗良と映画館に行った時も恋愛映画だった。
俺も、恋愛映画は嫌いじゃない。
どちらかというと、好きなジャンルに入るかもしれない。
「じゃあ、恋愛映画にするか」
「え、いいんですか?」
紗良は驚いたような表情をしていた。
「いいよいいよ。俺も好きだし。それに、ホラーとかは苦手でしょ?」
俺は、ニヤッと笑った。
「そ、それは……苦手です……」
紗良は手をモジモジとさせながら言った。
いや、可愛いかよ。
そんな顔をされたら、逆にホラー映画を見せたくなってしまうという、いじわるな心も芽生える。
「じゃあ、恋愛映画を何本か選ぶか」
映画館より随分安い為、いつも何本か借りていくのだ。
「これなんて、どうでしょうか?」
紗良は一本のDVDを手に取った。
それは、人気バンドのヴォーカルと一人のファンが恋に落ちていくという物語であった。
「おお、面白そうだね。それにしよっか」
「はい!」
紗良が選んだDVDの他に、俺も一本のSF映画を選んだ。
「じゃあ、借りてきちゃうね」
俺は、紗良が選んだDVDと共に、レンタルの手続きに向かった。
「お願いします」
「はい、会員カードはお持ちですか?」
「はい」
俺は、財布の中から会員カードを取り出した。
「ありがとうございます。レンタルの期限は一週間になります」
「分かりました」
そう言うと、俺は借りたDVDを受け取った。
「お待たせー」
俺は、外で待っていた紗良に向かって言った。
「いえ、大丈夫です」
「さて、帰り道にコンビニでも寄ってお菓子買って行くか」
「いいですねそれ」
やはり、映画を見ている時には何かを摘まみたくなるものである。
「おう、やっぱ、何か摘まみたくなるもんだよね」
「ですね」
俺たちは、帰り道にあるコンビニに入った。
適当に、飲み物やお菓子をかごに放り込んでいく。
「こんなもんでいい?」
「はい、ちょっと買い過ぎですかね?」
紗良は苦笑いを浮かべていた。
「まあ、いいんじゃないか」
別に、今日中に食べないといけないという訳ではない。
「ですね!」
「じゃあ、会計してくる」
俺は、かごいっぱいのお菓子をレジを通した。
「ありがとうございましたー」
店員さんの声を後ろに聞きながら、俺たちはコンビニを出た。
「さてさて、帰りますよ」
「はい!」
最寄りのコンビニから、俺たちは並んで歩いた。
時刻はまだ正午過ぎ、十分に映画を見る時間はある。
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