第8話 妹と焼肉
待つこと数分。
まずは、飲み物、頼んだコーラが二人分運ばれてきた。
「お待たせいたしました。コーラになります」
そう言って、店員さんは二人の前に、コーラの入ってグラスを置いた。
「ありがとうございます」
俺はグラスを手に取った。
「じゃあ、とりあえず、乾杯」
「乾杯」
二人のグラスはぶつかった。
「はぁ、うまいな」
コーラを三分の一ほど飲んだ。
「そうですね」
そんなことを話しているうちに、お肉が運ばれてきた。
「こちら、カルビ、ハラミ、ホルモンになります」
そう言って、二人の間に肉の乗ったお皿が置かれた。
「焼いて行っちゃっていいか?」
「はい! お願いします」
春輝はトングを取ると、肉を網の上に置いていく。
「紗良は、しっかり焼いた方がいい人?」
「そうですね。どちらかといえば」
「了解!」
しっかりめに、肉の両面を焼いていく。
「ほれ、この辺焼けたぞ」
そう言って、紗良の取り皿に置いた。
「ありがとうございます!!」
「おうよ」
俺も、自分のお皿に取り分け、割りばしを割った。
「うん、美味いな」
「はい、美味しいです!!」
紗良は、たれを付け、美味しそうに肉を頬張っていた。
なんて、可愛いのだろうか。
我が妹ながら、見とれてしまうほど、その笑顔は美しかった。
「次、焼いてくねー」
「任せてしまってすみません」
「いいよいいよ。嫌いじゃないしね」
さっきは、カルビを焼いたので、今度はハラミを焼いていく。
両面が、しっかりと焼けると、紗良と自分の取り皿に、肉を置いた。
空腹だったこともあり、箸は進む。
あっという間に注文した分の肉は、無くなっていた。
「兄さん、追加で頼んでもいいですか?」
「もちろん!」
再び、紗良はタブレットを操作している。
「兄さんは、何か頼みます?」
「辛いもんとか平気か?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、チゲ鍋とかにしようかな。あと、コーラのおかわり」
「分かりました!」
紗良がタブレットを操作し、注文を完了させた。
「お待たせしました。こちら、チゲ鍋と牛タンになります」
俺が頼んだチゲ鍋と、紗良が頼んだ牛タンが同時に運ばれてきた。
チゲ鍋には、取り皿が二つ付いていた。
「辛くて食べれなかったら、俺が食べるから」
そう言って、俺は器用に二人分取り分けた。
「はい、ありがとうございます」
そして、再び春輝は牛タンを焼く。
そんなことをしているうちに、店員さんがやってきた。
「ラストオーダーのお時間になりますが、追加の注文があればお願いします」
「あ、もうそんな時間か。紗良は大丈夫?」
「うん」
紗良は頷いた。
「大丈夫です」
「かしこまりました」
残りの肉とチゲ鍋を食べ終え、お会計をする事にした。
俺が、伝票を持ってレジへと行く。
「ありがとうございます。お会計が、6,340円になります」
「はい」
財布から一万円札と340円を取り出した。
「お釣りが4000円になります」
「はい、ありがとうございます」
「よろしければ、お連れ様の分もガムをお持ち下さい。ありがとうございました」
店員さんからお釣りとガムを受け取ると、外で待つという、紗良の元へと向かった。
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